2012年

うれしい承認


ある団体で、コミュニケーション講座の講師依頼をしてくださっていた方から、
先月、退職のご連絡をいただきました。
いつも様々なコミュニケーション関連の講座を企画されるバイタリティー溢れる方で、
一緒に楽しくお仕事させていただいていました。
その方から、
『いつもざっくりとした内容で、講師依頼したにも関わらず、
 きちんと形にしていただき、ありがとうございました』
とても嬉しい承認をいただきました。
私は、細かく指示されるより、創造の余地がたくさんあるほうが、
自由度の高いほうが、持っている力を発揮できるタイプです。
“ざっくり”した内容から、“核となる部分”を聴き取り、形にしていくプロセスは、
私にとって、とても楽しい作業のひとつです。
振り返れば、研修やセミナー・講座は、
ほぼ100%、この形式でご依頼いただいているように思います。
個人コーチングも、毎回、クライアントさんが何を話すのか、
そのときにならないとわかりません。
その場その場で、いっしょに創っていくのが、楽しくて楽しくて♪
この方とも、またいつかどこかで、一緒に何かを創りだしていければと思います。
仕事の質は、協働する人のと関係性も大きく影響します。
これからも、互いの仕事の質を高め合っていける関係を築いてきたいです。


まわりの人に恵まれる


最近、中学・高校時代からの友人たちに、立て続けに会っています。
会う機会が、たまたま重なっただけですが、
こうして、会える友人たちがいることを幸せに感じます。
多感だった十代の頃の面影を残しつつ、
皆それぞれの道を歩み、素敵な大人になっています。
大きな心で、ありのままの私を見てくれていることに感謝です。
私は、友人だけでなく、まわりの人に恵まれている、つくづく思います。
人間関係に恵まれている、ということは、私にとって、人生の宝です。
「人は宝」です。
「モノではない、生きた宝」です。


主体性を高めるグループ・コーチング 参加者の感想


3月31日(土)、【主体性を高めるグループ・コーチング】を開催しました。
“答え”ではなく、“思ったこと”を口に出すこと自体が、主体的に対話する・行動する入口です。
入口を入って、次の一歩は、
「自分を変える」ことではなく、「今の自分を知る」ところから始まります。
少人数だからこそ、一人ひとりの思ったことをよく聴き、思ったことを話せる安全な場を
全員で創ることができました。
参加の皆さんの体験談や思っていること、溢れ出してくるものを共有しながら、
いくつかのキーワードを軸に、人間関係やコミュニケーションの視点を広げていきました。
参加の皆さんの感想です。
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○職場で悩んでいたこと、誰にも聞けなかったことが、色々な立場の方の意見を聞かせてもらって、明確なものに近づいてきたと思います。
主体的に生きる、は本当に大きな大きな自分の人生のテーマでもあります。これからの人生の様々なあらゆる面で活かしていこうと思います。また、教職においても、若い世代に伝えていきたいことでもあります。

(女性 40代)

○主体性を持っているほうが、人生に幅があり、考え方も広がると思いました。主体性を持っていると、得な感じがします。今の社会の「~~させられ感」、これ(主体性)が足りないのかなと思いました。

(K.M様 40代)

○参加前は、「主体性」というちょっと硬い響きにどうなるのかと思っていましたが、皆さんの意見を聞いて、納得することや参考にさせていただきたいことがたくさんあり、とてもよかったです。
自分の思いに素直になり、その場そのときの選択を主体性を持って楽しみたいです。

(T.C様 40代)

○自分の中で持っていた言葉にできない焦りやモヤモヤした気持ちを出すことで、少し楽になりました。もっと主体性を持つということで、我慢ではなく、選択という方向に自分を持っていけたらと思います。
人数的にも、他の人の意見が聞きやすかったし、話しやすかったです。

(U.E様 40代)

○「案外、もう大丈夫かな」という思いになりました。ある程度考えたら、区切りが来るなと気づきました。職場で何かしなきゃと焦っていたけれど、そのまま自然体でいようと思います。

(中嶋美保様)

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楽しく、学びを深めることができたことに感謝です。
ありがとうございました!


意図合わせの大切さ


今年に入って約3ヶ月に渡り、自立就業支援の事業所で、
コミュニケーション・セミナーを担当しました。
学ぶ意欲の高い人たちが集まっていて、
とても良い雰囲気の場をつくることができました。
今回は、特に、セミナーの環境づくりの重要性をあらためて実感しました。
環境を整えるには、講師の私一人ではどうにもなりません。
スタッフの方々の協力は、不可欠です。
みんなで一緒にセミナーをつくっていく、という意識を持つことが大事です。
そのために、まず必要なのは、場づくりのための意図のすり合わせです。
この部分をおろそかにすると、セミナー全体に大きな影響が出てきます。
たとえ、すり合わせがきちんと出来ていなかったとしても、
途中で、再度、しっかり意図合わせをすれば、それで大丈夫です。
そこから、みんなで知恵を出し合い、より良いセミナーを再構築していけるからです。
今回の一連のセミナーで、とても大切なことを学びました。
スタッフの皆さんと、ともに学び合う関係を築けたことも大きな収穫でした。


「鍵は必ず何かを開ける」 「みんな何かを失くしている」


映画 『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』 を観ました。
9.11で父親を亡くした少年の物語。
父親が残した鍵に込められたメッセージを探し出そうとする少年と、
かかわる人々の姿が描かれています。
映画の初めのほうでの、鍵屋のおじさんのひと言。
「鍵は、必ず何かを開ける」
このひと言が、最後に、響き渡り、映画の世界観が、目の前に大きく広がってきます。
鍵は、少年だけでなく、出会った人たちそれぞれの、何かを開けていきます。
この少年が、こじ開けるのではなく、やさしく、自然に、開いていくかのように。
映画の終盤、少年の言葉も印象的でした。
「みんな何かを失くしている」
少年は、大勢のブラックさんたちと出会い、そのことを体感していきます。
その象徴は、途中から一緒に旅をする 声を失くした少年のお祖父さんです。
特に、お祖父さんとの触れ合いの中で、少年は感じ取ったのではないだろうか思います。
「失くす」ということは、マイナスのイメージがありますが、
「失くす」ことを肯定的にとらえることもでき、失くすことで得るものもある、
と少年は教えてくれました。
この映画は、ハンカチなしでは観られません。
大泣きはしませんが、涙が乾く暇もありませんでした。
「鍵は、必ず何かを開ける」
私も、この少年に出会えてよかったです。


惜福・分福・植福


昨晩のNHK深夜便・ミッドナイトトークのゲストは、
東京大学大学院教授のロバート・キャンベル氏でした。
幸田露伴の 『努力論 (岩波文庫)』で書かれている
“幸福を3つに分ける”について興味深く聞き入りました。
3つの幸福とは、
『惜福(せきふく)』 ・・・いいことを少しずつ取っておく
『分福(ぶんふく)』 ・・・人に分けて与える
『植福(しょくふく)』 ・・・人のために福を植える
聞き覚えなので、正確でないかもしれませんが、このように話していました。
“幸福”の“幸”は、いろんな意味の“幸”を包含しています。
幸田露伴の幸福論が、私の中にある幸福の畑に、音もなく降り注ぎました。
また、キャンベル氏は、
日本語の『お裾分け』は、英語に翻訳しにくいとも話していました。
「チャリティー」や「寄付」ともまた違う・・・と。
確かに、“お裾分け”の機微を表現する、しっくり当てはまる、
外国語は存在しないのかもしれません。
昨晩のトークのテーマは、『至福のとき』。
キャンベル氏の締めの言葉、至福のときが印象的でした。
「偽りのない自分に向き合うとき」
言葉の持つ幸福感を味わったひとときでした。


ため息をつかなくなった


ため息をつかなくなっている!
このことに気づいて、なんだか嬉しくなって、
チラッとこの日記に書いてみようと思いたったわけです。
20代後半から30代前半の頃は、日常的にため息をついていました。
無意識でなく、自分でもそれとわかるくらい頻繁に、です。
気づけば、ここ数年、ほとんどため息をついていないように思います。
もっと前に気づいたことは、毎朝起きるのが辛くない、でした。
会社勤めの頃は、「今日も仕事かぁー」
1日の始まりを気分よく過ごせていない日もありました。
しかし今、そんな日は、 ・・・記憶にありません。
毎日が充実。
毎日が楽しい。
毎日が発見。(このタイトルの雑誌ありますが・・・)
と同時に、毎日を淡々と暮らしています。
この淡々さが、私にはほど良いのです。
なんだかんだ言っても、結局は、
コーチングがもたらしたものは、計り知れない。
ここに落ち着きます。


思い出は優しい


先日、繕い物をしていたとき、ふわっと懐かしい優しさに包まれました。
以前勤めていた会社でのことです。
勤務時間中に、制服のブラウスの袖のボタンが外れてしまいました。
会社はホテル、サービス業です。
身だしなみに気を遣うのは、当たり前、必須です。
選択肢は、ふたつです。
1.すぐにロッカーに行って、別のブラウスに着替える
2.すぐにロッカーに行って、ブラウスを脱いで、ボタンを付け直す
ボタンが外れたので、今からロッカーに行く(持ち場を離れる)ことを、上司に伝えました。
すると、上司(部長・男性)が、
「わたし、やりますよ。 (ボタン付け)得意なんです」
にこやかに、そう言ってくれたのです。
あまりにも自然な成り行きに、申し訳なさもありながら、
部長は、さあさあどうぞ、ウェルカム体制です。
ボタンの外れたほうの腕を、部長に差し出すと、
部長は、ササッと手際よく、ボタンを付け直してくれました。
部長の意外な一面を垣間見ると同時に、
部長の優しさが、ブラウスの袖口を通して伝わってきました。
もうずいぶん前のエピソード、今は、良き思い出となっています。
当時の思い出は、とても優しいです。
たまに思い出す会社勤めの頃のエピソードは、どれもこれも優しいものばかりです。


主体的に生きる、ということ


私の今年のテーマのひとつは、『主体的に生きる』 です。
コーチングをはじめた少し後、2004年の後半から、
ある医療関係のNPOに、ボランティア・スタッフとして関わるようになりました。
この団体の活動のひとつに興味があって、詳しくお話を聞きたいと思い、
事務所に伺って以来、仕事(コーチング)に支障のない範囲で、
“無理しない、細~く長~く”をモットーに、ボランティアを続けています。
この団体は、昨年、大きな変化の一年となりました。
団体の大きな変化、ボランティアながらも、その渦中にいる自分を肌で感じ、
私の関わりのスタンスも再確認しておこう、と思いました。
私自身、この団体にこうして長く関わっているのは、どうしてなんだろう?
8年目に入る今年も、今までと変わりなく、
淡々と、自分の役割を果たそうと思っているのは、何があるからなのだろう?
・・・・・・・ その答えが、『主体的に生きる』 でした。
私がコーチングを通じて、人生で体現したいのは、
“自分で選択して生きる”
“被害者でなく、主体者で生きる” です。
この団体の目指すところは、
“患者が主体的に医療に関わる”
“わたしがいのちの主人公” です。
この団体を立ち上げた人や、その人と長きに渡って二人三脚で活動したきたスタッフは、
まさに“主体的に生きる”人たちです。
一貫して、主体性を発揮している人たちです。

この団体の目指すところと私の目指すところは、最終的に同じなのだ、
ということを再認識しました。
主体的に医療に関わるためには、
医療の現場に限らず、人生に起きることすべてにおいて、
主体的に生きることが必要になってきます。
8年目にして、今さらながらと思われるかもしれませんが、
コーチングを通じて、私が体現したいことと同じだったのです。
そして、今年は、“主体的に生きる”をさらに実践していこうと決めました。
まずは、主催イベントとして、
3月31日(土) 『主体性を高める グループ・コーチング』を開催します。
詳しくは、こちらをご覧ください。
http://www.a-relation.com/column/2012/02/post_215.html
ピンと来た方、ぜひご参加ください。
お待ちしています!


幕末・下級武士の暮らしを知る 山川菊栄著 『武家の女性』


先日、ある弁護士さんとの雑談のなかで、話題になった本に興味を持ち、読んでみました。
山川菊栄 著 『武家の女性』 です。

幕末の水戸藩・下級武士の家に生まれ育った著者のお母さん、おばあさんの思い出話をもとに、当時の下級武士の生活や庶民の暮らしぶりが、いきいきと描かれています。
歴史小説では味わえない、当時の人々の習慣や文化、食べ物のことなど、
現代の生活と比較しながら、当時の暮らしをありありと感じることができます。
砂糖は貴重品で、砂糖を知らない子どもは、塩だと勘違いして、
「○○さんところの塩は甘かった」
こういう初々しさが、愛おしく、やさしさを持って描かれています。
当時は、人と人との関係が、今より、もっともっと濃密です。
しがらみや面倒なこと、自分ではどうしようもないこともたくさんある時代ですが、
それが反対に、誰もがいきいきと生きていた、そんな時代だったのではないかと思います。
物を大事にする。
物がじゅうぶんでないからこそ、物の扱いを知っていたのだと感じます。
わたし達は、物に溢れた時代に生きていますが、
物の扱い方を知らない、本当の意味で、物と一緒に暮らす、ということを知らないのだ、
と身に沁みて感じました。
この時代の人たちの生き方があって、今のわたし達がいることを忘れず、
シャンと背筋を伸ばして、毎日を丁寧に暮らしていきたいです。
そう思わずにはいられない、一読の価値がある名著です。


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