感性を磨く  ~ 夜と霧


よりよい人間関係をつくるのために、大切なのは何でしょう?
そのひとつとして、感じる力、感性を磨くことが大切だと私は思います。
「感性を活かす」 これは、どんな仕事にも当てはまることでしょう。
直接、お客さまと接する仕事では、相手の要望を素早くキャッチすることが大切です。
製造業なら、こういうふうに、こんな人に使ってもらいたいと先をイメージすることも大切です。
周りのことに好奇心を持つこと、自分の趣味を持つことをおすすめします。
それも仕事とは関係のないことのほうが世界が広がります。
業界の知識を得ることも必要ですが、それ以外のことに興味を広げると、
仕事のヒントやあなた自身の人生に役立つことがたくさんあることに気づきます。
好奇心は、感じる力を磨きます。
感性を磨くために、
ビジネス本やハウツー本以外の小説などを読む。
音楽を聴く。映画を観る。美術鑑賞をする。 
感じる力を体験から得るために、
通ったことのない道を歩いてみる。
ひとり旅をする。散歩をする。自然に触れる。絵を描く。
他にも、あなたの、あなたならでは、という感性が豊かに磨かれるものがあるでしょう。
ただ、「あー、よかった」で終わらせてしまっては、ものすごくもったいない。
そこから一歩踏み込んで、何を感じたか味わってみることが大切です。
はじめは、うまくいかないかもしれませんが、続けていくうちに、いろんなことを感じる力が養われていきます。
本当に必要なことを感じ取る力がついてきます。
その感じ取る力は、あなたの内面を豊かにします。
内面の豊かな人、感性の豊かな人は、人の気持ちをくみ取ることができます。
相手の内面に、自分も同じものを持っている、ということを感じ取れるからです。
よりよい人と人との関係は、“相手の中に、自分を見る”ことであり、
つながりを感じることだと思います。
最近読んだ本の中で、心で感じることの大切さを教えてくれた一冊を紹介します。
夜と霧 新版』 ヴィクトール・E・フランクル著
ナチス強制収容所での心理学者自身の体験を、精神分析の視点から書いた本です。
私は、ある本の中で紹介されていて、初めてこの本を知り、興味を持ち、新訳のほうで読んでみました。
戦後のロングセラーで有名な本だそうです。
新版の旧訳も、旧版の旧訳も、読みたいと思うほどの本です。
極限状態での人間の感覚や感情は、私たちの中にもあり、眠っています。
その感覚や感情を、平常でも感じ取る手がかりになるのではないでしょうか。

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