相手の受け取ったことが、自分の伝えたこと


仕事が溜まっているけれど、明日は午後から席を外さないといけない仕事ばかり・・・。
よし!明日、朝早く出勤してがんばろう!
翌日、1時間早く出社して仕事を開始。
ほどなく、他部署の管理職Aさんが出勤して来ました。
「朝早くからご苦労さま。がんばってるね」
と声をかけてくれます。
と、ここまではいい感じ。
Aさんは私の向かい側の席に座り、あーだこーだと世間話を始めます。
どーでもいい話だけれど、聞かないわけにもいきません。
仕事が出来ずに、心の中ではイライラ。
悲しいかな、顔は笑顔。
早く出社したけれど、結局、まったく仕事がはかどりませんでした。
こんなことなら、1時間ゆっくり寝たかった~。
仕事するために早く来たことを伝えたのに、どーして私の前に居座るの?
仕事させて~! お願い~!
伝えたにもかかわらず、やりたいことができない状態。
こんな経験ありませんか?
当時は、コーチグのコの字も知らなかったので、
「Aさんのせいで、まったく仕事が進まなかった。デリカシーのない人」
と、ひとりで怒っていました。
この状況を、今ならどうするだろう?
仕事が溜まっているので、早く出社したことは伝えました。
しかし、Aさんは座って話し出しました。
と、いうことは、私がこの1時間で溜まっている仕事をしようとしている状況が
Aさんに伝わってない、伝え切れていない、ということです。
ここに、コミュニケーションのギャップが生じます。
おまけに、私は笑顔でAさんの話を聞いているのです。
聞いてくれているから、Aさんは話ができる状況と受け取ったのでしょう。
“相手の受け取った分が、私の伝えたこと”なのです。
このことを理解していると、状況を変えることができます。
本当に言いたいことを伝えることができます。
コミュニケーション・ギャップの解消へとつながります。
たとえば、
「9時までに仕上げたい仕事があるので、
  お昼休みにでも話の続きを聞かせてもらっていいですか?」
とさわやかに伝え、仕事に集中することもできるでしょう。
そして、相手が受け取りやすいように伝えることも大切です。
毎日欠かすことのないコミュニケーションについて、
私たちは、わかっているようで、わかっていないことが多いのです。
しかし、コミュニケーションは、技術(スキル)ではなく、
その人自身の表れであり、心の姿、だと私は思っています。

Top