見えるもの・見えないもの
世の中をよく見ていると
見えるものよりも、見えないもののほうが多いと気づきます。
人の姿かたちは見えても、その人の気持ちや考え、無数の経験などは見えません。
紛争の映像を目にしても、そこで暮らす人々の本当の日常は見えません。
圧倒的に見えないもののほうが多いのです。
見えないもの。
そういうところに、大事なものがあるのだと思います。
サン=テグジュペリの『星の王子さま』にもこうあります。
‟ 大切なことはいつだって目に見えないものさ ”
長年人の話を聴き続け、人とかかわり続けてきて
分かったことがあるとすれば、それは
実際のところ「人のことは分からない」ということです。
人のことは分からないと言い切ってしまうと
投げやりに聞こえるかもしれませんが、そういうことではありません。
人のことは分からない。
だから、その人のことを何でも分かっていると思わないこと。
もっと言うと「分かったつもりになってはいけない」ということです。
分かっていると思った途端、その人のことが見えなくなります。
分かったつもりになっていると、その人の中にある大事なものから遠ざかってしまいます。
目に見える人や物、出来事から、見えないものをどう見ようとしていくか。
それが、人に与えられている能力なのだと思います。
それに、宇宙の96%は見えなくて、見えているのはわずか4%だそうです。
宇宙は分からないことばかりです。
そんな宇宙で生きているんだと認めてしまうと
よい塩梅に心身がほぐれて、世の中を見渡せるのではないでしょうか?
見えるものよりも、見えないもののほうが多い。
見えないものの中にこそ、大事なものがある。
見えているものだけにとらわれないための考え方を
ひとつ持っておく1年にしませんか?
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