学びコラム

これからのホテル ~エコロジーとホテル経営 スカンディックホテルの場合


北欧最大のホテルチェーン・スカンディックホテル。
このホテルチェーンは環境を軸に経営を改革し、利益を上げています。
環境問題には経営に余裕があってはじめて取り組めると考えがちで、
そう考える経営者も多いでしょう。
しかし、スカンディックホテルは「環境」を企業活動の核とし、
チェーン全従業員の環境問題への意識を高め、経営再建を成し遂げました。
客室のカードキーはプラスティック製ではなく木製。
このような小さな改革の積み重ねで、なんと客室のリサイクル率は97パーセントです。
コスト管理と環境保全を結びつけ、環境との調和を考えるスカンディックホテルの企業姿勢は、
従業員自身と仕事を、環境への影響という視点で捉える意識変革を促し、自分で考える能力をも
引き出しています。
今、環境問題、地球温暖化に対する意識が高まっています。
エコロジーへの取り組みは宣伝効果だけでなく、利益をも生み出すということを
スカンディックホテルは証明しています。
“環境への配慮は、ビジネスの成功への障害になる”、という理由はどごにもありません。
すでに環境問題について、意識の高い人々、実際に取り組んでいる人々がいます。
意識の高い人々は、エコロジーに取り組んでいる企業の製品やサービスを探していると
言ってよいでしょう。
エコロジーは、ひとつのセグメント、マーケットとして浮上してきました。
今後は、ホテルだけでなく、すべての企業経営に、「環境」というキーワードは
外せない時代になるでしょう。
現在、スカンディックホテルはヒルトンインターナショナル・グループです。
ヒルトンの今後の展開も気になるところです。
スカンディックホテル
http://www.scandic-hotels.com/corporateinfo/900_CorporateInformation.jsp
参考書籍:『 未来を変える80人 僕らが出会った社会起業家』シルヴァン・ダルニルほか著
【参考】ホテル運営会社の一覧 ウィキペディア(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/Category:%E3%83%9B%E3%83%86%E3%83%AB%E9%81%8B%E5%96%B6%E4%BC%9A%E7%A4%BE


ホスピタリティには 新しい『ビリーフ』を育てる


以前、ある人が言っていました。
「人の性格は30歳を過ぎたら一生変わらない」
その人のお母さんがいつも言っていたそうです。
「人の性格は一生変わらない」
これは、教え込まれた信念 『ビリーフ(Belief)』です。
私たちは、それぞれの育った環境によって、それぞれのビリーフを持っています。
特に、小さい子供にとって、親の言うことは、言葉をおぼえるのと同じようなものです。
微塵の疑いもなく、受け取り、刷り込まれてしまいます。
長年そう信じているので、それがビリーフかどうか疑うことさえありません。
その人にとって、合理的なビリーフであれば、その人の魅力を引き出し、可能性を広げます。
逆に、その人の足かせとなる否定的なビリーフもあります。
前例の「人の性格は一生変わらない」というビリーフには、「相手を変えよう」とする力が働いているように感じます。
相手のことを限定してしまうのと同時に、自分自身のことも「自分を変えるのはたいへんだ」、
「変わりたくない」というビリーフが潜在的に存在し、可能性にフタをしているのではないでしょうか。
私たちは、自分が信じているものを手に入れるのです。
あなたの足を引っ張るビリーフを書き換えましょう。
あなたは新しいビリーフを自分で選ぶことができます。
ビリーフが変わると、問題がどこにあるのかわかります。
あなた自身の可能性を広げるためにも、新しいビリーフを育てましょう。
私たち皆、同じように感情を持った存在です。
自分のビリーフを理解すると、相手のビリーフも理解できます。
すると、人とかかわるときの不安も少なくなります。
ホスピタリティは、あなた自身が育てるものです。
自分で選んだ新しい『ビリーフ』を、あなたの中に育みましょう。
+++++++++++++++++++++++++++++++++
ホスピタリティを育む『ビリーフ』  ワークショップ・研修は、お問い合わせください。
「お問合せ・お申込」からどうぞ。
+++++++++++++++++++++++++++++++++


サービスを変える 『ビリーフ』


先日、ある会に出かけたら、日時を間違っていてその会は前日すでに終わっていた、
という私の失敗を、昨日に引き続き別の視点で捉えてみました。
私は時間管理にはけっこう自信を持っていました。
時間管理は信頼関係につながります。
だからこそ、常にスケジュール管理をしっかりとし、コーチング・セッションの時間が重なったり、
間違ったりということがないように気をつけてきました。
「私はスケジュール管理ができている」
無意識にこう思い込んでいたのです。
無意識の思い込みのことを、『ビリーフ(Belief)』といいます。
このビリーフによって、私たちの物事の受け止め方や考え方、その後の行動が決まってきます。
日時を伝えてくれたAさんに対して、
「Aさんはいつも正確に伝えてくれる」 「Aさんの情報は正しい」
さらに、
「日時を間違えた私はダメな人間だ」 
すべて私のビリーフです。
自分の考えがビリーフだとわかれば、ビリーフは書き換えられます。
ホテルのフロントで勤務していた頃のことです。
よく宿泊されるお客さまのチェックイン時、このお客さまの宿泊履歴を見ると、
Bというタイプの客室での宿泊がずっと続いていました。
「このお客さまは、Bタイプの客室がお好きなのだ」と判断し、その客室を用意しました。
するとお客さまが、「いつも同じ部屋なので、別の部屋にしていただけますか?
ずっと同じ部屋だと飽きてきて・・・」ということがありました。
「Bタイプの客室が好きなお客さま」
このお客さまに対する私のビリーフです。
ホテル側のスタッフが過去に下した判断、経験を積み重ねた結果のビリーフでもあります。
「同じ客室のほうが落ち着くのだろう」という私のビリーフでもあります。
実は、お客さまの希望でもなんでもなかったのです。
「このお客さまは気難しい人だ」と思っていたら、何度か対応していると、気さくな面も見えてきて、
「このお客さまは気さくな面も持ってる」とビリーフが書き換えられます。
私たちは、自分自身の考え方や判断から生まれるビリーフをもとに行動している、ということです。
物事の捉え方や行動を振り返ってみると、今まで無意識だった自分のビリーフがはっきりしてくるでしょう。
自分のビリーフのパターンが浮き彫りになってきます。
あなたは、自分自身やまわりの人に、どんなビリーフを持っているでしょうか。
お客さまに対して、どんなビリーフを持っているのでしょうか。
あなたのサービスを今以上のサービスに変えるために、どんなビリーフを持ちたいでしょうか。
+++++++++++++++++++++++++++++++++
サービスを変える『ビリーフ』  ワークショップ・研修は、お問い合わせください。
「お問合せ・お申込」からどうぞ。
+++++++++++++++++++++++++++++++++


日時間違いへの対応


先日、ある会に出席するために会場に向かいました。
到着してみると、その会は昨日だったのです。
一瞬、頭の中が真っ白に。何が起きたのか理解しようと焦っても仕方ありません。
時間もあるので、カフェでゆっくりお茶を飲みながら整理してみました。
今回は、「○月△日××時から□□会があります。参加されますか?」と口頭でのやり取りでした。
自分を過信していました。
日時について、少し気になりながらも再確認をしませんでした。
ホテルにお越しになられるお客さまにも、私と同じような日時間違いが頻繁にありました。
お客さまの出席予定の宴席が、昨日だったり、明日だったり、1ヵ月後、1ヶ月前ということもあります。
「毎年、この日に、このホテルだった。だから今年もここのはずだ。」とおっしゃられるお客さまもいらっしゃいます。
よくよく調べてみると、今回は別のホテルで行われることに、などさまざまです。
こういう状況で接客する場合は、どのようにするとよいのでしょうか。
お客さまは、自分がそう信じ込んでいた、間違っていた、ということをその場ですぐに理解できない
状況にあります。
お客さまには、落ち着いて考える時間が少々必要です。
まずは、お客さまの立場を理解することに意識を向け、お客さまの頭の中を整理し、状況を把握し、
判断するお手伝いをしましょう。
「お客さまの勘違い、間違いですよ」とお客さまの心に切り込むことのないように。
ただ、その宴席があるかないかだけでなく、お客さまが納得できるよう調べて、しっかり対応しましょう。
それだけで、ホテルに対する印象が変わります。
対面だけでなく、電話でも同じことです。
お客さまに丁寧に対応することは、ホテルの好感度だけでなく、対応する人の好感度にもつながります。
人間力は、そういう日々のお客さまへの対応の積み重ねでもあります。
そして、まわりのスタッフ全員が、そういう対応のスタッフに、ポジティブな感情をもつ環境づくりが重要です。
上司が部下の対応を認め、そのことを本人に伝えることが、ポジティブな環境づくりの大切な第一歩となります。


現代人のマネジメント力


マネジメント力には、他者のマネジメントと自己のマネジメントがあります。
管理職は部下をマネジメントする能力が必要です。
と同時に(以前に)自分自身の仕事やスケジュール、健康など管理する能力も必要です。
マネジメント力アップを目標にしている方も多くいらっしゃるでしょう。
しかし、私たちの日常の大半は、時間通り、思い通りに、マネジメントした生活ができているのではないかと思います。
働く会社を選び、通勤には定刻に来る電車に乗ります。自分で決めて、その行動をしています。
部下も頼んだ仕事は仕上げてきます。
こう考えると、自分のことも他者のこともマネジメントできていると私は思います。
一日を自分でコントロールした生活を送っていると言えるのではないでしょうか。
それでは、私たちが求めているマネジメント力とは何でしょうか?
想像してみてください。
もし、アフリカのサバンナにあなたひとり投げ出されたとしたら…。
誰も助け合える人間はいません。野生の動物がいる大自然の中です。
食べるものは自分で手に入れなければなりません。水を求めて移動し、食料を求めて狩りをします。
自分の食べたい時に、調理されたものは出てきません。狩りがうまくいかなければ、空腹は満たされないのです。
反対に、他の動物に食べられてしまうかもしれません。
夜は真っ暗な闇の中です。いつ何があるかわかりません。周囲の音や匂い、風にも敏感になります。
ぐっすり熟睡することもできないでしょう。
自然の中では、自分がコントロールできるものはほとんどありません。
自然の中では、“今を生きる”しかないのです。
生きるためには、今この瞬間がすべてです。
私たちの先祖がはるか太古から脈々と築き上げてきた現代。
私たちは生死を常に意識することなく暮らせる快適な生活を手に入れました。
現代に生きる私たちが身につけるべきマネジメント力とはどんなものでしょう?
サバンナでの生活は、過ぎたことを気にしすぎたり、今やることを明日という未来に先延ばしに
したりしていると、明日という日はやって来ません。
現代の私たちのマネジメントに、“今”という瞬間を取り入れるとすると?
私たち一人ひとりの中にある“今”という瞬間に触れることで、自分自身にも、まわりにも、
あなたが本来持っているマネジメント力が発揮されるのではないでしょうか。
まずは、“今”を感じることからはじめてみましょう。


浅き川も深く渡れ  ~星野道夫


『 浅き川も深く渡れ 』
写真家・星野道夫のNHK特集番組『アラスカ 星のような物語』の冒頭部分で紹介された、
小学校の卒業アルバムの寄せ書きにある星野道夫の言葉です。
小学生、12歳の少年です。
この言葉にどんな気持ちを込めて書いたのかはわかりません。
スーッと胸に広がり、深いところに落ちていく言葉です。
12歳の少年が書き記した言葉だと思えません。
12歳の頃の私には、絶対書けなかった言葉であることは確かです。
当時覚えたての言葉でいいなあと思った「誠実」という言葉を寄せ書きに書いた記憶が・・・。
同じ12歳でもレベルが違いすぎます。
この言葉は、コーチングや人生にも通ずるものがあると思います。
人は、深く潜ると苦しい思いをするだけで、向こう岸にたどり着けないかもしれない、
と考えがちです。
深みから抜け出せなくなるのではないかと不安になります。
しかし、コーチングをしているとそうでないことがわかってきます。
人は、必ず自分の力でその深みから抜け出せる、ということを。
深く潜ってみたら、もっと自分のことがわかる、ということを。
深く渡ることで、よりはやく自分の力で渡りきることができる、ということを経験します。
浅き川を船に乗って渡った時と、浅き川を自らの意志で深く渡った時とでは、まったく違います。
向こう岸にたどり着いた時の感覚、目にするもの、得るものは人それぞれ違います。
“浅く”と“深く”では、一人の人の中でも、まったく違った経験となるでしょう。
浅いところで生きるもの悪くないかもしれません。
しかし、コーチングもあなたの人生も深いものなのです。
浅い川でも深く学ぶことができるのです。
コーチングは人生を深く渡る力をつけることができる、力強い行動力、原動力の源になります。
『 浅き川も深く渡れ 』
私の今年を表す言葉にしたいと思います。
星野道夫公式サイト http://www.michio-hoshino.com/info.html


22歳の彼ら


先日、ある忘年会で22歳の若者たちと鍋を囲んで話す機会がありました。
彼らは好奇心旺盛です。
彼らは自分自身を見つめようとしています。
コーチングについてたくさん質問されました。
好奇心いっぱいで聞いてきます。
スポンジのようにいろんなことをどんどん吸収していくので、
話すこちらも楽しくて仕方ありませんでした。
私は22歳の時、どんなことを考えていただろうか?
仕事をなんとか一人前にできるように。そうんなことは考えていました。
将来のことも、自分の内面を見つめることもなかった、というよりも避けていたように思います。
私は35歳でコーチングと出会い、自分自身を知る、ということをはじめました。
遅すぎたとは思いません。
私にとって35歳がベスト・タイミングだったのです。
22歳の彼らと同じように、私も今、スポンジのように吸収しているのを感じます。
はじめるのに遅すぎる、なんてことはないのです。
あなたのベスト・タイミングはいつでしたか?
いつやってくると思いますか?


コミュニケーションは、突破口をつくる


コミュニケーションは重要である。
今週は、コミュニケーションの大切さをいつも以上に感じました。
①一人で考え、どうするか自分で決める。そして行動する。
②コーチングでテーマに出して、どうするか自分で決める。そして行動する。
③誰かに相談して、きっかけやアドバイスをもらい、そこでどうするか自分で決める。そして行動する。
あることをするために、何から手をつければいいのかわからない状態でした。
今回、このことを、③のパターンで、人に相談してみました。
すると、風穴が開きました。ひとつ開いたところから行動を起こすと、もうひとつ穴が開きました。
形すらなかったものが、今、どんどん形になりつつあります。
人に相談することもコミュニケーションです。
方向性が定まり、明確な形になっていく一週間でした。
ポロっと相談してみると、突破口になる人を紹介してもらったり、相談することでひらめきがあったり、スピードが速まったりします。
突破口は、どこにあるかわかりません。
相談することで、突破口が見つかる時もあるし、見つからない時もあります。
見つからなくてもいいのです。
相手に依存しようとしていないのであれば。


次善の策もある


『こころの疲れに効くお薬(はなし)』というテーマで、湖南病院院長の木田孝太郎さんのお話を聞きました。
なかでも興味深かったお話は、「燃えつき症候群」についてでした。
「燃えつき症候群」になりやすい職場環境があるそうです。
・成果が期待通りにあがらない
・上司や同僚とのコミュニケーションがうまくいっていない
・責任や仕事量の多さなどで心身ともにストレスが強い、等だそうです。
こういう職場環境で働いている人は多いのではないでしょうか。
そして、コーチングで、頻繁に取り上げられるテーマでもあります。
コーチングでは、表現が少し違うだけです。
・成果を上げる
・上司や同僚とのコミュニケーションの改善
・ストレスを減らす
「燃えつき症候群」の予防・解消法の例として、
・ストレスの原因を確かめ、自分の疲れに気づく
・問題解決能力、技術を身につける
・教育の機会に積極的に参加したり、異業種の人や考え方の違う人たちと交流する 等
予防法も、コーチングを活用できると思います。
もちろん、コーチングがすべてではありませんが、ひとつの方法だと思います。
予防法の「問題解決能力をつける」ためには、「仕事の優先順位の判断力や目標設定能力を養う」ことが大切とのこと。
そして「次善の策もあるということがかわっている」ことが大切なのだそうです。
最善だけが解決策でなく、次善も解決策。
解決策はひとつではない、ということがわかっている。
「次善の策」は、木田さんがお話されていた「ゆとり」を生み出すのだと思いました。
『強さは、しなやかさのこと』という木田さんのメッセージがとても印象に残っています。
「ゆとり」が生み出すものが「強さ」であり、「しなやかさ」なのだと感じました。
コーチングでも、「しなやかさ」を大切にしたいです。


人生の振り返りは未来につながる


すこし前、NHK教育テレビで『7年ごとの成長記録・49歳になりました』というドキュメンタリー番組の
再放送を観ました。
シリーズで、ほかにも『21歳になりました』の日本、旧ソ連、アメリカ編とあったようです。
イギリスのパブリック・スクールの男女生徒数名の7歳の時からはじまり、
14歳、21歳、28歳、35歳、42歳、49歳と7年ごとに取材し、その成長を記録した番組です。
49歳の今に焦点を当て、子供時代からの映像で、それぞれの人生を振り返ります。
人は、自ら進んで自分の過去を振り返ることはしません。
7年ごとに、自らの人生を振り返る姿に、辛さを感じている人や、今までの人生をかみ締めるように
振り返る人、それぞれの人生の重みを感じました。
興味深かったのは、全員に同じ質問、7年ごとに同じ質問をしていることです。
同じ質問をしても、全員違う答えです。
7年ごとに同じ質問をしても、全員毎回違う答えです。
人は、変わってゆきます。
“変化”が“成長”なのだと思いました。
この世界に、同じ人生を歩む人なんて、ひとりもいないのです。
誰かを真似たり、誰かを羨んだり、誰かのせいにしてみたり、人生そんなものじゃないのです。
この番組のように、みなさん自身も、人生を何年かごとに振り返ってみてはいかがでしょう。
きっと気づくはずです。
自分の人生は、自分だけのものと。
人生を丁寧に振り返ることは、未来につながると。
みなさんが、日々接するお客さまも、それぞれの人生を歩んでいます。
みなさんとお客さまとの出会いは、それぞれの人生の一瞬一瞬です。
お互いにとって、大切な人生の瞬間です。
みなさん自身の、人とのかかわりも振り返ってみてはいかがでしょう。
きっと気づくはずです。
明日からはじまる未来、かかわり方が変わると。


Top