「鍵は必ず何かを開ける」 「みんな何かを失くしている」


映画 『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』 を観ました。
9.11で父親を亡くした少年の物語。
父親が残した鍵に込められたメッセージを探し出そうとする少年と、
かかわる人々の姿が描かれています。
映画の初めのほうでの、鍵屋のおじさんのひと言。
「鍵は、必ず何かを開ける」
このひと言が、最後に、響き渡り、映画の世界観が、目の前に大きく広がってきます。
鍵は、少年だけでなく、出会った人たちそれぞれの、何かを開けていきます。
この少年が、こじ開けるのではなく、やさしく、自然に、開いていくかのように。
映画の終盤、少年の言葉も印象的でした。
「みんな何かを失くしている」
少年は、大勢のブラックさんたちと出会い、そのことを体感していきます。
その象徴は、途中から一緒に旅をする 声を失くした少年のお祖父さんです。
特に、お祖父さんとの触れ合いの中で、少年は感じ取ったのではないだろうか思います。
「失くす」ということは、マイナスのイメージがありますが、
「失くす」ことを肯定的にとらえることもでき、失くすことで得るものもある、
と少年は教えてくれました。
この映画は、ハンカチなしでは観られません。
大泣きはしませんが、涙が乾く暇もありませんでした。
「鍵は、必ず何かを開ける」
私も、この少年に出会えてよかったです。

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