暗峠 くらがりとうげ


先日のプチ・ハイキングでは、大阪と奈良の間にある“暗峠”を通るコースを歩きました。
現在、大阪-奈良間は阪奈道路や鉄道が通っています。
しかし、ずっと昔は、この暗峠を越える山越えの道が、大阪と奈良を行き来する唯一の道だったそうです。
山をひとつ越えるこのコースは、自動車が1台通るのがやっとの道幅の狭さです。
対向車とすれ違うことはできないほど、細くて急勾配です。
この道路、なんと国道です。国道の標識もありました。
奈良から大阪へ向かうよりも、大阪から奈良へ向かう行程のほうが、坂道がきついので覚悟を!
昔の人は、この道を自分の足で歩いて移動していたのかと思うと、
夜道は怖かっただろうな、山賊が出没してもおかしくない、とか想像が膨らみます。
昔の旅と現在の旅は、まったく違う感覚なのではないでしょうか。
昔は旅といえば、お伊勢参り。
日本各地から何日もかけて伊勢を目指します。
写真はない時代、あっても絵ぐらいでしょう。
どんな場所か想像したり、道中のことをあれこれ考えたりしながら、
行った人や噂で伝わってくることを情報源にしていたのでしょう。そして旅に出る。
旅から戻って、旅の話をする。
聞く人は、想像して思いをめぐらせる。
現在は、写真も映像もあります。テレビや本、さまざまな形で、旅の情報を得ることができます。
移動手段はいくらでもあります。速くて楽です。日本国内、近くの海外も、その日に到着します。
話を聞いても、テレビで見た映像や知識があるので、その映像を思い浮かべます。
想像力を働かせることは少ないように感じます。
旅の体験や、その体験談を聞く人の想像力の広さや深さは、今と昔ではまったく違うような気がします。
感じる力や想像する力には、個人差だけでなく、生きた時代にも違いがあらわれるのではないでしょうか。
筋肉痛のお尻をいたわりながら、こんなことを考えていました。

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