学びコラム

「不機嫌」コミュニケーション


『人間の最大の罪は、不機嫌である』

ドイツの詩人・ゲーテの言葉です。

学生の頃、最初にこの言葉に出会ったときの
ハッとした感覚を今も覚えています。

また、どこで聞いたのか忘れてしまいましたが
このような言葉にもハッとしました。
_____
男性は、思い通りにならないことが原因で
不機嫌になることが多く、それに対して、
女性は、思いが伝わらないことが原因で不機嫌になることが多い。
_____

「不機嫌」の源・理由を提示されると、確かに!と腑に落ちます。

かと言って、男性女性などの性差ではっきり分けられるものでもなく
「傾向」というふうに捉えています。

「思い通りにならない」「思いが伝わらない」
このどちらも原因で、不機嫌になった経験は
誰でもあるのではないでしょうか。

対人関係において、不機嫌をコミュニケーションの手段として
使ってしまうこともあります。

但し、不機嫌というコミュニケーションは、
ポジティブなコミュニケーションよりも圧倒的に伝染力が強いのです。
人から人へ、またその先に人へとどんどん広がっていきます。

この伝染力の強さが、ゲーテの言うところの
不機嫌が「最大の罪」となる所以なのかもしれません。

「思い通りにならない」と「思いが伝わらない」のどちらにも
「思い」が入っています。

と言うことは、「思い」を「言葉にする」ということが大事ではないでしょうか。

思いを不機嫌というノンバーバル(非言語)コミュニケーションではなく
思いをバーバル(言葉による)コミュニケーションに変えていくことが大事です。

まわりに気を遣わせたり、緊張感や不快感を与える
不機嫌コミュニケーションではなく
まわりがリラックスする、尊重しあえる、
笑顔が広がるコミュニケーションを心がけたいですね。

フキハラ(不機嫌ハラスメント)という言葉もなくなるように。


それって、頭の中にしかないよ


書店に入ると「キキ&ララの『幸福論』」という本が目に留まり、
優しい色合いに思わず手に取りました。

どのページにも、キキ&ララのイラストが満載です。
イラストだけでなく、フランスの哲学者アランの『幸福論』が
平易な言葉で書かれている本です。

ぱっと開いたページにはこう書かれていました。

「過去への後悔や、未来への心配。
それって、頭の中にしかないよ」

後悔や心配は、頭の中にしかない。実体がない。

私たちは、どうしてもこの実体のないものを作り出してしまいます。
そして、それをあたかも実体のあるもののように扱ってしまいます。

このアランの言葉を聞いて、確かにそうだと納得しますが、
おそらく今後も、過去への後悔と未来への心配は出てくると思います。

出てきてもOKです。
出てきたときは、
「あっ、これって頭の中にしかないものだ」と気づけるようになればいいのです。
実体のないものを客観視できるようになっていければいいのです。

実体のないものを自分で作り出して、それに振り回されていることに気がつけば、
過去でも未来でもなく、「今」に焦点を当てて、行動を起こす一歩につながります。

未来を考えるときは、未来への心配ではなく、
2月27日の学びコラムに書いた
「未来の笑顔をつくる」を頭の中で考えませんか?
「笑顔=よりよい未来」へ向けて、小さなことから今、行動を起こしませんか?

「過去への後悔や、未来への心配。
それって、頭の中にしかないよ」

キキ&ララが耳元でそっとささやいてくれます。


未来の笑顔をつくる


友人のお母さんが急遽入院し退院後に
その友人と会いました。

もう少し遅かったらどうなっていたことかという状態から、
無事に退院することができたと友人は心の底から安心していました。
その姿を見て、私も本当によかったと安堵しました。

そのあと、お互いに笑顔で楽しく話が弾みました。

友人と私のこの楽しい時間をつくってくれたのは、医療従事者の方々です。
退院できていなかったら、会うことはできていなかったと思います。
医療従事者の方々の「仕事」のおかげです。

「仕事とは、誰かの未来の笑顔をつくること」

友人の安心した様子を目の前にして、
友人と会えて楽しく話ができて、あたらめてそう感じました。

医療従事者の皆さんだけでなく、働くすべての人が、
誰かの未来の笑顔をつくっています。

目の前の人(友人のお母さん)だけではなく
友人と家族、そして私…他にも多くの人たちの笑顔につながっています。

目の前の人はもちろん、その先にいる人たちを想像すると
仕事がもっと楽しくなります。

自分のする仕事の先には誰がいるのかを想像すると
目の前のひとつひとつの仕事に取り組む姿勢が変わってきます。

笑顔をひろげていきましょう!


心の声を聴き取る


朝目覚めてから夜眠るまでのあいだ

「人の批判しない」

「文句言わない」

「愚痴を言わない」

ずっと前に、これをやってみたことがあります。

やってみて、面白いことに気づきました。

そのとき、実際に批判や文句、愚痴は、
言葉となって出てくることはありませんでした。

しかし、言葉にしていないだけ、ということに気づきました。

批判していました!
文句を言っていました!
グチってました!

心の中で。

ニュースを見ては
(心の中で)「政治家という人たちは・・・」

電車を降りるとき、靴のかかとを踏まれて
(心の中で)「わっ!靴脱げた!危ないやん!踏んだの誰??」

真っ黒焦げの炭と化した食パンを目の前にして
(心の中で)「トースターやりすぎ~!」(他責もいいところです)

言葉にしていないだけで、
心のなかでは、批判、文句、愚痴をタラタラと言っていました。

それまでは無意識だったので、
このことに気づいたときは自分でもビックリしました。

ただし、ここで、出てきた心の声を批判したり、心の声に文句を言ったりと
自分自身の心の声を批判しないのがミソです。

二重に批判することになりますから。

まずは、自分から出てくる批判の言葉や心の声に気づく。

そこから始めませんか?

気づく・知ることは、言わないことの始まりです。

気づいて知って意識して、言うことが少なくなれば、
気分よくいられる時間が増えるということです。

その時間をどんどん延長していきましょう。

心穏やかに、心元気な1年を!


誰もが長編小説執筆中


「人生」を「長編小説」に見立てると
今日の一日は
1ページ分かもしれないし、
ほんの数行なのかもしれません。

但し、この1ページがなければ、この数行がなければ
私たちそれぞれの人生という長編小説は成り立たないのです。

1ページ、ほんの数行でも、大事な大事な一部分です。

最後に人生を振り返るとき
どの1日も、どの瞬間も、飛ばすことができない、
なかったことにするなんてできない、
と実感するのでしょうか?

物語を閉じるときでないと分からないですね。

さて、今からは白紙の状態です。ストーリーは未知です。
どんな1行1行になるのか、どんな1ページになるのかは決まっていません。

今から、そして新しい年も、この長編小説の続きは日々記されます。

誰もがそれぞれの物語を持っていて
唯一無二のかけがえのない1冊になるのだと思うと
自分に対しても、他者に対しても、敬意を込めた優しい眼差しになります。

そして、他者の1ページに自分が登場することもあるのだと思うと
相手の人生をよりよく彩る一部でありたいという気持ちになります。

そういう気持ちで人を見ると、世界がよりよい方向へむかう
小さな一歩になるのではないだろうかと思っています。


「今」に集中


もう何年も前のことですが、年末の大掃除の頃、
耳に留まったご高齢の女性のつぶやきが今も印象に残っています。

「ここ(カフェ)で、お茶飲んでる時間があるんだったら、
 窓ガラスの一枚でも拭けばいいんだけれど・・・」

人は常に「何かをする」ことに追われて
今を十分に楽しめないでいると思った言葉でした。

私たちは楽しいことをしていても、
ついつい気になっていることに意識が向いてしまいます。

「今」に集中できないでいます。

仕事中も、今の仕事をしながら、次はあれをしてこれをして…
と「すること」を考えています。

家でも、食事の支度をして、洗濯して…と次の家事のことを考えます。

良い悪いでなく、私たちの日常生活は「何かをする」を軸にしています。
何かをすることの連続によって生活を進める習慣が身についています。

なので、「今」にいる習慣がなく、「今」にいることに慣れていません。

慣れていないので、せっかくのお茶や友達とのおしゃべりを楽しんでいても
ふと窓ガラスが拭けていないことに意識が向いて
「今」に居心地よくいられなくなります。

今にいることに慣れていないので
今、居心地がよくないことにもなかなか気づけません。

誰もが経験していると思いますが
仕事でも遊びでも、「今」に集中していると充実感があります。

まずは、1日1回意識的に、思いきり今に集中してみませんか?

今に集中して今を楽しんで
今以上に充実した笑顔になってほしいと思っています!


少しスローダウン


家族や大切な人に、何か問題が起きると
気が気ではありません。

家族や大切な人とのあいだでは
自他の境界線がにじみやすいものです。

境界線がにじむがゆえに、問題を解決しなければ、
といつの間にか、自分事として捉えてしまったりします。

そうなると、話がややこしくなります。

何か問題が起きたとき、まずは、ゆっくりと呼吸し息を整えて
こう自分に問いかけましょう。

「この問題は、誰の問題?」

そうすると、問題自体と少し距離が取れます。
俯瞰・客観視すると、状況を適切に捉えて考えることができます。

『私は他人の問題を深く心配したとしても、
それに巻き込まれない』
という捉え方も、距離感や心の余裕をもって
適切に考え判断・行動するのに役立つのではないでしょうか。

少しスローダウン、一呼吸置いて
「この問題は、誰の問題?」から始めませんか?

慌てなくて大丈夫です。


前を向いて!


ラグビーワールドカップ、イングランド戦で
日本は敗れましたが、試合終了直後の選手たちの
コメントが印象的でした。

キャプテンの姫野選手
「大事なのは、下を向く時間はない」

松田選手
「負けを活かして」

リーチ マイケル選手
「悔しいけれど、落ち込む必要はない。
ポジティブに切り替えていく」

どの選手もメンタルの強さを感じる言葉です。
そして、未来(次のサモア戦)を見ている言葉です。

失敗したとき、辛いことがあったとき、しんどいとき、
下を向くというのは、そのことに留まってしまうということです。

「下を向いてるな」と気づいたら
前を向いて、それでも頭が下を向いてしまうなら
思いきり、上(空でもいいですね)を見上げて
失敗を活かそうとポジティブに切り替えていきたいものです。

ポジティブに切り替えるには、「前を向く」=「未来を見る」。
ここがポイントです!

前を向く(未来を見る)と、ブレにくくなります。
ブレにくいということは、メンタルが安定するということです。


10月開催セミナー【伸びる人が育つコミュニケーション】


10月28日(土)14:00~、セミナーを開催します。

今回のテーマは『伸びる人が育つコミュニケーション』です。

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日々“人の成長”を支援するなかで
『伸びる人は、自分で考えて行動する人』だと実感しています。

また、誰もが「よりよく変わりたい」と無意識では思っています。
成長を望んでいます。
けれど、一人では限界があり、成長したくても、変わる“きっかけ”は
自分ではつくりにくいものです。
きっかけさえあれば、人は変わることができます。

自分で考えて行動し伸びる人になっていくためのきっかけを
あなたがつくってあげませんか?

初対面でも話しやすい安心感のある場で、和やかに対話・交流しながら進めますので
お気楽にご参加ください。思いきってのご参加も大歓迎です!

〘こんな方におすすめです〙
● 成長支援のためのかかわりを見直したい
● 教育・指導に活かしたい
● 職場の伸び悩んでいる人をサポートしたい
● 対人支援力を高めるきっかけがほしい  
● 互いに成長しあえる関係性やチームをつくりたい 

<セミナー内容>
◆ 伸びていく人」「伸びにくい人」とは
◆ 人が伸びるとき 
◆ 伸びる人が育つコミュニケーション環境 
◆ 成長支援のためのかかわり

<日 時>
2023年10月28日(土)14:00~16:00
<会 場> オンライン開催(Zoom使用)
※カメラとマイクをオンにしてご参加ください
※つながるかどうかや操作がご不安な方は、当日または数日前に試行もできます。
試行のご希望日時もお気軽にお申し付けください。

<定員> 15名様

<参加費> 3,500円(税込)

<お申込み> ※受付終了しました 

☆セミナーのチラシPDFはコチラをご覧ください 


見る方向を整える


「人に迷惑をかけたくない」
「迷惑になるんじゃないか」

こう思うことはありませんか?

こう思うとき、意識の向きが2方向あります。

ひとつは「相手」です。
相手の負担になるんじゃないだろうか。
相手が嫌な思いをするかもしれない。

もうひとつは「自分」です。
人に頼むことで、できない人と思われたくない。
どう思われるか不安。
自分を守りたい自己防衛。

「相手」「自分」のどちらかに意識が向くか、または両方に意識が行きます。
どちらにしても、いろんな感情が出てきます。

そもそも、本当に「迷惑」なのでしょうか?

特に仕事のときは、この2方向だけで判断するのはおすすめしません。

「迷惑をかける」その事柄は、「何のために」必要なことなのでしょう?

「何のために」とは「目的」です。

仕事には、目的があります。

目的を見ないで、目の前で起きている事柄だけを見て、
「迷惑」と捉えてしまっているだけかもしれません。

何のため?
誰のため?

見る方向を整えると、捉え方が変わります。

それは、本当に「迷惑」なのでしょうか?

見る方向はとても大事です。

ちょっと考えてみてくださいね。


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