2007年3月

暗峠 くらがりとうげ


先日のプチ・ハイキングでは、大阪と奈良の間にある“暗峠”を通るコースを歩きました。
現在、大阪-奈良間は阪奈道路や鉄道が通っています。
しかし、ずっと昔は、この暗峠を越える山越えの道が、大阪と奈良を行き来する唯一の道だったそうです。
山をひとつ越えるこのコースは、自動車が1台通るのがやっとの道幅の狭さです。
対向車とすれ違うことはできないほど、細くて急勾配です。
この道路、なんと国道です。国道の標識もありました。
奈良から大阪へ向かうよりも、大阪から奈良へ向かう行程のほうが、坂道がきついので覚悟を!
昔の人は、この道を自分の足で歩いて移動していたのかと思うと、
夜道は怖かっただろうな、山賊が出没してもおかしくない、とか想像が膨らみます。
昔の旅と現在の旅は、まったく違う感覚なのではないでしょうか。
昔は旅といえば、お伊勢参り。
日本各地から何日もかけて伊勢を目指します。
写真はない時代、あっても絵ぐらいでしょう。
どんな場所か想像したり、道中のことをあれこれ考えたりしながら、
行った人や噂で伝わってくることを情報源にしていたのでしょう。そして旅に出る。
旅から戻って、旅の話をする。
聞く人は、想像して思いをめぐらせる。
現在は、写真も映像もあります。テレビや本、さまざまな形で、旅の情報を得ることができます。
移動手段はいくらでもあります。速くて楽です。日本国内、近くの海外も、その日に到着します。
話を聞いても、テレビで見た映像や知識があるので、その映像を思い浮かべます。
想像力を働かせることは少ないように感じます。
旅の体験や、その体験談を聞く人の想像力の広さや深さは、今と昔ではまったく違うような気がします。
感じる力や想像する力には、個人差だけでなく、生きた時代にも違いがあらわれるのではないでしょうか。
筋肉痛のお尻をいたわりながら、こんなことを考えていました。


広告も春めいて


電車に乗ると、額面広告や中刷り広告に目が行きます。
最近は、つり革にも広告がされていますが、専門用語では何と言うのでしょう。つり革広告かな?
先日、乗った車両では春を感じました。
広告は全部違う企業のものなのですが、どれも春らしい色合いやデザイン、
春にあわせてアレンジを効かせたキャッチコピーでした。
車内には、どことなく春めいた柔らかな雰囲気が漂っていました。
新芽のごとく私の好奇心がムクムクと出てきました。
そこで、乗っている車両の端まで移動し、さっき見た反対側から中刷り広告(裏面)を見てみました。
反対側の面(裏面)の広告は、バラバラな印象で季節感なし。
同じ車両でも位置によって、まったく感覚が違います。
面白い発見でした。
意図して春らしい広告を集めた、というわけでもなさそうです。
手間はかかっても、季節感や全体を通して、乗客に何かメッセージを投げかけるのも面白いな、と思います。
車両全体が同一の広告というのにも飽きてきましたから。
それぞれの広告を見るのも楽しいですが、全体で楽しむのもいいものです。
自分なりの電車での楽しみ方がひとつ増えました。


東大阪版 『スタンド・バイ・ミー』


先週の良く晴れた日のこと。
午前中のコーチング・セッションが終わってから、プチ・ハイキングに出かけました。
今、春休みなんですね。
高校1年生ぐらいの男の子たち3人組も同じコースを歩いていました。
山を登るコースで、急な登り坂がずっと続きます。
高校生たちは自転車で来ていました。自転車では登れないほどの急な登りです。
自転車をつきながら、登っていました。
普通に歩いてもハードな坂道。彼らは自転車の重量分の負荷がかかり、もっとキツそうです。
私が休憩していると、高校生たちも追いつき、
「こんにちは!」と元気に声をかけてくれました。
どこから来たのか、どこまで行くのかなど、少しばかり話をしました。
景色も空気もきれいな、広々とした場所で出会うと、
知らない者同士でも、世代が違っても、自然と会話が生まれます。
高校生たちは、大発見のごとく 「あっ、井戸や!」 と井戸を覗き込んだり、
「ヤッホー!」 「しんどいぞー!」 「ウォー!」 「ワァー!」
楽しそうに大声を張り上げていました。
街中では、楽しくてうれしくて大声を張り上げてしまっただけだとしても、
さまざまな他人の視線にさらされます。
しかし、自然の中では、大声で叫んでも、山や自然が受け止め、吸収してくれます。
若者はエネルギーいっぱいです。
彼らのエネルギーも自然の一部なんだよねと思うと、彼らを頼もしく感じました。
映画 『スタンド・バイ・ミー』の少年たちのような高校生たち。
私の頭の中ではベン・E・キングの歌う主題歌が流れ出し、高校生たちの姿と映画が重なり溶け合いました。
『スタンド・バイ・ミー』の東大阪版を見せてくれて、ありがとう!
青春映画は、映画の中だけじゃない。
 


久しぶりに デヴィッド・ボウイ&カラオケ


無料動画配信のGyaOで、デヴィッド・ボウイのビデオクリップが配信されていたので、
懐かしさのあまり思わず見てしまいました。
ファッションなんかクラクラめまいがするほど古いのですが、
そこはやはり永遠のスーパースターです。存在感でがっちりカバーしています。
人間っぽさを感じさせない美しさは、70―80年代のクール・ビューティーでしょう。
映画、音楽、ドラマ、お笑い、ドキュメンタリーなどなど、GyaOでは無料で見ることができます。
カラオケもできます!
デヴィッド・ボウイを見て、ひとりカラオケをしていたら、あっという間に1時間近く過ぎていました。
いかん、いかん。 
パソコンテレビGyaO http://www.gyao.jp/  音が出ます!


大切なことは至ってシンプル


前回に引き続き、イートイン・スタイルのベーカリーショップで思ったことです。
(このお店は1回行くだけで、いろんなことを目撃します)
一人のおばさんが入り口から入ってくるなり、まっすぐお店(カフェ)の奥へと向かって進んで行きました。
座ってコーヒーを飲んでいる私の前を横切るおばさんの姿を見て私は、
「パン買ってないよね。トイレを借りに来たのかな?」と思いました。
予想外でした。
奥にあるトレーの返却棚の前で止まると、食べ終わって返却されたトレーを順にチェックしています。
あっ、何かをポケットに入れました!
たぶん、使ってない砂糖やコーヒー・フレッシュ、もしくは今キャンペーン中のクーポン券。
返却棚のトレーを一通りチェックすると、サーッと立ち去りました。
食べ残しのパンじゃなくて、ホッとしました。
しかし、凄すぎるぞ、この行動。
トレーの返却棚にあるものなので、お客は所有権を放棄していますが・・・。
何も買わずに奥へ入って行くおばさんを、お店のスタッフが制止しにもかかわらず進入したのであれば、
不法侵入?になりそうですが、一瞬の出来事です。
こんなあきれ果てた行動をする変なおばさんがいます!
と言いたいのではありません。
このような行動を誘発する根本的な原因は何か?
ということです。
トレーを溜めるから。   至ってシンプルです。
たいていのお店のトレー返却棚は、そのままスタッフ側からもピックアップできるようになっています。
しかし、このお店の返却棚は、スタッフが一度、外(ホール)に出ないとピックアップできないのです。
構造に問題があるなら、返却トレーが溜まらないように、スタッフがこまめに片付ければよいことです。
ほんの些細なことだけれども大切なことができていないお店は、
お店にとってマイナスイメージを与える、お客でない人をも呼び込んでしまいます。
ほんと、シンプルなことです。


脳!内なる不思議の世界へ  


大阪歴史博物館で開催中の特別展 『脳!内なる不思議の世界へ』へ行って来ました。
脳の標本を見る機会は、少ないと思います。
でも、こんなにたくさんの生き物の脳を見る機会は、もっと少ないでしょう。
脳がどんな道をたどって進化してきたのか、どこで進化のプロセスに違いができたのかなど、
考えながら見ると面白いです。
マッコウクジラの脳。ゴキブリの脳。シバイヌの脳。
南方熊楠(天才と言われた博物学者)の脳・・・。
たくさんの生き物の脳を前に、私の脳も驚いていました。
種の違いが、脳の違いをつくるのか?
脳の違いが、種の進化の違いをつくるのか?
ズレてる? そんな単純なものじゃない?
私の脳は、さまざまな脳について思いをめぐらせます。
そして、グチャグチャにわけわからん状態です。
好奇心もいっぱいだけれど、私の脳もいっぱいいっぱい。
この展覧会は、脳の標本の展示だけでなく、私たちの脳がつくる世界や変化する脳について、
体験型のコーナーもあり、自分の脳を使って、脳の不思議を感じることもできます。
この特別企画は、見どころ、考えどころ、体験どころ満載です。なかなかのものです。
子どもも大人も楽しめる仕掛けがたくさんあり、企画側のメッセージもしっかり伝わってきます。
脳は、脳について広く知ってもらうために、すばらしい企画を生み出し、形にする力も備えている、
ということを証明してくれています。
大阪歴史博物館  http://www.mus-his.city.osaka.jp/


お客さまは何を求めているか? 求めるサービス・レベルは違っても、顧客は去っていく


イート・イン・スタイルのベーカーリーショップが最近増えたように感じます。
「最近、このお店で買ってないよね。久しぶりに買ってみようか」
パンを買って、時間があったので、併設のイート・インのカフェでひと休み。
コーヒーを飲みながら、店内の様子を何気なく見ていました。
奥の厨房から、ひとりのスタッフが出てきました。パンを作っているスタッフです。
お店に置いてあるお客さま用の新聞を手に取ると、また奥へ引っ込んでいきました。
おそらく、休憩時間でしょう。
また、別の厨房スタッフが出てきました。
今度は、客席からよく見えるコーヒー・マシーンで、コーヒーを1杯入れると奥へと戻って行きました。
ああ、今から、厨房スタッフの休憩時間なんだ。
私、お金払って、同じコーヒー飲んでますが・・・。
私が、このお店でパンを買わなくなった理由を思い出しました。
こういうことなんです。少しだけ気分を害するのです。
お客としての私は、このお店に何を求めているか?
はっきり言って、パンを買う、コーヒーを飲む、それ以上のものは求めません。
一流ホテルのようなサービスを求めていません。
スタッフがお客さまの新聞を読もうが、売り物のコーヒーを飲もうが、わざわざクレームを言うほどのことではありません。
自分の大切なエネルギーを使ってまでクレームを言う気なんて、まったくありません。
そこまで、求めていないからです。
常識ある人は、クレームを言うのに、エネルギーを使います。
「何を求めるか?」=「対価」+「エネルギー」
こういう捉え方も考えられます。
しかし、軽く気には障ります。
ベーカリーはここだけではなく、星の数ほどあります。
私は困らないので、このお店で買わなくなるだけです。
よほど美味しいパンでない限り。このお店でしか手に入らない商品でない限り。
そして、私のようなお客さまは、何も言わず、去っていきます。
高いサービス・レベルを求めていなくても、気分を害してまで利用しません。
(私の場合、忘れてしまっていて、また買ってしまいましたが。)
もし、私がベーカリーの経営者だとしたら?
厨房スタッフには、「パンを作ること以外にもあなたの役割がある」という自覚を持たせるでしょう。
目の前の仕事だけが自分の仕事でなく、どんな仕事にも流れがあります。
その流れを理解していれば、自ずと気づくでしょう。
気づかなければ、言います。
自分の仕事を、今以上に価値あるもので、楽しくする方法はいくらでもあります。
どうせ働くのだったら、いきいき働くほうがいいじゃないですか!
スタッフが、いきいきと笑顔で働ける環境をつくる。経営者の役割でもあります。


生命38億年の進化ドラマ


先日、筑波大学名誉教授・村上和雄さんの講演を聴く機会に恵まれました。
村上さんは、1983年、高血圧を引き起こす原因となる酵素「レニン」の遺伝子解読に世界で初めて成功した科学者です。
学生の頃から理数系が苦手な私ですが、“宇宙”や“DNA”には、とても興味を持っています。
雑誌『Newton ニュートン』の愛読者でもあります。
『Newton』は写真やイラスト満載なので、一般人にもわかりやすく読める雑誌です。
話がそれてしまいました。
村上和雄さんの講演は、私にとって、興味深い内容ばかりでした。
その中でも印象的だったのは、
「地球上で、はじめの生命が誕生して人間に進化するまで、38億年かかりました。
人間の胎児は、お母さんのお腹の中で、わずか38週で、生物の進化のドラマを遂げます。
お母さんの1週間が、胎児の1億年です。」
このお話を、妊娠中の友人にすると、
「私の1日が、赤ちゃんの1千年・・・」
しみじみ感動です。
誰もが母親の胎内で38億年分の進化を遂げ、今、ここに存在します。
生まれてくること事態、とてつもなく素晴らしいことです。
自分が今ここにいることに、感謝せずにはいられません。


華麗なる一族 いちばんの見どころ


今、人気のテレビドラマと言えば、『華麗なる一族』は外せないでしょう。
このドラマの見どころとは?
妹に教わった見どころが、私のダントツいちばんの見どころとなっています。
それは、ドラマのエンドロール。
60年代のモノクロの空撮をバックに、次週の予告がダイジェストで映し出されます。
ここがいちばんワクワクドキドキするのです。
この終わりの数十秒に凝縮されています。
本編より濃いです。
『華麗なる一族』の楽しみ方のひとつとしてご紹介しましたが、
おもいっきり、妹のパクリですねー。
妹の視点はいつも的を射ています。侮れない存在です。
ちなみに、
私が今いちばん好きなドラマは、『相棒』です!
細やかで温かい心理描写、味のあるキャスト。
“人間っていいよね”、と思わせてくれるドラマです。
刑事モノですが、激しくないので、ゆったりと見ることができます。
来週の最終回スペシャル、楽しみです。


転職・就職に活かすコーチング


先日、クライアントさんから転職が決まった報告を受けました。
心から「おめでとうございます」と言える瞬間です。
クライアントさん自身で、選んだ道だからです。
転職を考える目的も、人それぞれに違います。
キャリアアップのため。
仕事で自分らしさを表現したい。
より自分を磨くため。
働く意義を見つめ直したい。
コーチングを受け始める時、
「転職する・しない」
この二つしか選択肢を持っていない人が案外多いのです。
コーチングでは、さまざまな視点から自分の価値や仕事についてなど、
本当に何がしたいのか、本当の自分は何を求めているのか明確にし、
自分にOKを出して決めます。
なので、二者択一で決めてしまうより、力強い選択ができます。
自己認識の深さが、最善の選択、本物の人生の選択へと導きます。
コーチングを通して、転職という選択をしない場合もあります。
転職したい理由をしっかりと見ていくからです。
たとえば、仕事は好きだけれど、職場の人間関係に問題があったりします。
一人で考えていると、そういう部分が見えず、転職しかないと思い込みがちです。
私がいつも思うのは、
辞めるのはいつでも辞められる。
急いで辞める必要もない。


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