3つの心の働き
『知情意』という言葉を耳にしたことはありませんか?
有名なところでは、夏目漱石の『草枕』の冒頭です。
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山路を登りながら、こう考えた。
智に働けば角が立つ。
情に棹させば流される。
意地を通せば窮屈だ。
とかくに人の世は住みにくい。
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2行目から4行目の頭の一文字を縦に読むと「知(智)・情・意」となります。
知情意とは、「知性」「感情」「意志」この3つの心の働きです。
「とかくに人の世は住みにくい」のは
「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ」
と表現されているように
知情意、この3つの心の働きのバランスが取れていないからだと考えます。
心を整えることで人の世はいくぶん住みやすくなるのではないでしょうか?
住みにくい(ストレスがある)と感じたとき、
私たちはどう対処するかに意識を持って行きがちですが、
そこをぐっと我慢して(ある意味、ストレスをかけて)
「私の考える心(知)・感じる心(情)・行動する心(意)
この3つのバランスはどうだろう?」
と確認してみるのもひとつだと思います。
心の状態を確認し、心を整えると、どうするかの対処法は自然と浮かんできます。
最後に、幕末の長州藩士・高杉晋作の有名な言葉を。
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おもしろき こともなき世を おもしろく 住みなすものは 心なりけり
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結局のところ、世を住みやすくするのは「こころ」だということです。
3つの心の働きのバランスを少し意識してみませんか?
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