無駄なものは何ひとつない


昨日は見事なマジックアワーでした。
マジックアワーとは、映画・写真用語です。(三谷幸喜の映画で初めて知りました)
日没後の太陽は沈み切っていながら、まだ辺りが残光に照らされているほんのわずかな、
しかし最も美しい時間帯を指すのだそうです。
昨日はそんなマジックアワーを体験。
マジックアワーの光景を見ながら、
映画 『ザ・マジックアワー』のメイキング番組の中で、三谷幸喜がステキな話をしてくれていたのを思い出しました。

これだけすばらしいセットが出来ると、僕なんか貧乏性ですから、すべての壁、すべての小道具を撮らなければ、もとが取れないんじゃないかなと思うわけですよ。
その話をしたら、あるベテランの職人と呼ばれるスタッフの方が、こんなことを話してくれました。
「映画には無駄なんて何ひとつないんだよ。
ある意味、無駄だらけかもしれない。映らないものもたくさんあるかもしれない。
でもそれは実は無駄ではないんだ。
なぜならば、映像には映らなくても、俳優さんの目には映るかもしれない。
あの壁とか、この建物とか、絵には入らなくても、俳優さんの目には入るかもしれない。
それによって、俳優さんの芝居も変わっていくかもしれない。
そう考えると、映画の世界に無駄なものは何ひとつないんだよ」

じーんときました。
一見、無駄に見えるものも、無駄ではない。
スクリーンという平面の世界を、
立体的に見せるのは、感じさせるのは、俳優さんがその場で体感していることそのものです。
あの映画も、この映画も・・・
そこには、私たちが実際に目にしていないものもたくさんあるけれど、俳優さんを通じて感じることができるということです。
あらゆる関係がお互いに作用し、作品が生まれる。
映画の世界に限らず、どんな世界でも、私たちを取り巻くすべてに共通することだと思います。
今まで無駄だと思っていたことも、別の角度から見ると、無駄ではないかもしれません。

さいだねブログもご覧ください。

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