体験の積み重ね


料理の最中、お鍋の熱湯を手首にかぶってしまいました。
すぐに水で冷やし、事なきを得ました。
長時間水で冷やしたのが功を奏したのか、ちょっとジンジンしただけで、痕も残りませんでした。
実は、中学3年生の時、似たような体験をしました。
高校受験の前日、制服のスカートにアイロンをかけていました。
明日の受験のため、気を引き締めようと思ったのかどうか・・・遠い記憶です。
丁寧にスカートにアイロンをかけるついでに、
ご丁寧に左手の甲にもアイロンをかけてしまいました!
「あつッ!!」
すぐに流水で冷やせばいいものを、何を思ったのか、そのままアイロンをかけ続けました。
「アイロン終わってから冷やそう」
15歳の私は、ゆったりゆっくり。 ある意味、大物です(笑)
翌日は、激痛でした。
ジンジン、ジンジン、痛くて痛くて、左手がたまらなく痛い。
それでもなんとか受験には無事合格しました。
やけどの痕は、今も薄く残っています。
長い間、アイロンの三角形の型がついていたほどです。
ここで何が言いたいのかというと、やけどのことではありません。
“それまでの体験よって、その後の行動が変わってくる”とういことです。
当時の私は、それまで大きなやけどを体験したことがありませんでした。
家族にすぐに話して、どう対処すればよいか聞けばよかったのですが、
そういう考え自体持ち合わせていませんでした。
知識として、流水で冷やす、ということだけ知っていました。
いつ冷やすとか、どれくらい冷やすとか、まったく考えてもいませんでした。
今回熱湯をかぶった時は、25年前の体験を踏まえて、すぐに対処しました。
体験の積み重ねが、さまざまな障害を乗り越えるツールになります。
特に傷みを伴った体験は記憶に残ります。
しかし、小さな子どもは体験の積み重ねをこれから始めます。
体験の層はまだまだペランペランの薄さです。
いろんな体験を通じて、失敗したり、うまくいったりしながら、学習します。
そこから、危機を回避したり、障害を乗り越える術を身につけていきます。
新入社員も同様です。社会経験はこれからです。
仕事での体験が少ないため、もちろん失敗もたくさんします。
親は子どもの、先輩社員は後輩社員の、
体験の積み重ねのサポートをするつもりで接するとよいのではないでしょうか?
子どもの、後輩社員の、することなすことに目くじらを立てるよりも、
子どもの体験が、後輩社員の体験が、どんどん増えていくように関わってみてはいかがでしょう?
あなたがどう関わるかで、彼らの体験の質が変わってくるかもしれません。
前回のコラムで表現すると、
“体験も失敗も無駄なものはひとつもない”
無駄なものになるとすれば、体験や失敗を、本人がどう積み重ねるか、
親や先輩社員がどう関わるかどうかにかかってくると思います。
その積み重ねや関わりによって、体験が活きたものにも無駄なものにもなると言えるでしょう。

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