94%の顧客が「大満足」と言ってくれる私の究極のサービス  ジャック・ミッチェル著


94%の顧客が「大満足」と言ってくれる私の究極のサービス
原題は“Hug Your Customers”。
読み終えると、原題がいちばんしっくりくることに気づきます。
<Hug>は、身体的に<抱きしめる>というよりも、
心のハグ、お客さまの心をハグする、お客さまを従業員が心からハグする、
そういう意味が込められています。
著者は、米・コネチカット州で二軒の洋服店を経営し、顧客サービスも経営も非常にレベルの高い店舗を作り上げ、
“卓越した顧客サービス”を実践しています。
本書では、実際に、実践されている顧客サービスの事例が豊富に紹介されていて、
人の心が動く瞬間が、どんなものなのかよくわかります。
成功例ばかりでなく、失敗例も挙げられていて、小売の方はもちろん、サービス業全般に応用できるアイデアが満載です。
何かしらヒントを見出すことができるでしょう。
また、1.人材、2.サービス、3.商品・・・“優れたスタッフこそ最高のサービスである”と断言しています。
私の友人がこんなことを言っていたのを思い出しました。
「最近、マニュアルから外れたイレギュラーなことを聞くと、
何を言ってるのかわからないみたいな態度をされたり、ひどいのになると、
こっちがバカみたいに取れる態度をされることがある。
最近、ボキャブラリーの少ない人も多いからかな?
話が平行線みたいな会話になっている時がある。」
こういう従業員は、この店舗には、まず、いないでしょう。
採用の段階から違うのですが、型にはまった思考を捨て、お客さまのために何が出来るか、
組織の一人ひとりが独創的な思考をしながら、ハグを実践します。
型にはまったサービスを越え、ハグは世界を駆け巡ります。
そして、何よりも、仕事を楽しみ、お客さまをハグすることを楽しんでいます。
自分の会社の経営者と雲泥の差だ、だから従業員レベルでは何もできない。
自分自身こんな経営者になれない。こう思う方もいらっしゃると思います。
書のようなサービスができなくても、そういうマインドを常に持っている、心の中に留めておく、
ハグのマインドに触れることができた、それだけでもよいのではないでしょうか。
日本語タイトルを見る限り、たいそうすぎて敬遠してしまいがちですが、
内容はホスピタリティに溢れています。
著者が伝えたいことは、原題の“Hug Your Customers”に、すべて込められています。
小売業の方だけでなく、サービス業に従事する方にも、ぜひ読んでいただきたい良書です。

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