言わないと伝わらない


先日、銀行でのこと。
手続きが終わると、担当の女性が、「お好きなものをひとつ選んでください」と4種類の粗品を、
受付窓口の机に並べてくれました。
私の頭の中では、こんな会話をしていました。
「どれもほしくないのだけれど、“いらない”と言うのも申し訳ないような気がする・・・。
かといって、どれもいらない・・・。どうしよう・・・」
その間も、担当の女性は、丁寧に粗品の説明をしてくれるのです。
「これには、銀行の名前は入っていません」
「これは、小さく銀行名が入っています」  など。
私の結論は、どれもいらないけれど、とりあえず、ひとつもらう、に決まりました。
私      「それじゃ、これにします」
担当女性  「それじゃ、これもどうぞ」
彼女は、もうひとつ粗品をつけてくれました。合計2個。
彼女は、私がほしいものがいくつかあって選ぶのを迷っている、と思ったのでしょう。
私は、どれもほしくないけれど、「いらない」というか「ひとつ選ぶ」かで迷っていたのですが。
自分の気持ちを言葉にして言わないと、相手には伝わらない。
相手は、私の表面に現れている行動“迷っている”から感じ取って、良かれと思って行動する。
言葉にしなくても相手はわかってくれるだろう。
私がこう思っているのだから、相手もこう思っているだろう。
よくありがちなパターンです。
ここに、相手と自分の間に、ギャップが生じます。
相手に伝えたいことは、言わないと伝わらない。
相手の考えを聞きたいときは、質問しないと聞き取れない。
私たちの日常に、大切なことが埋もれてしまわないように。

Top