美の壺 ~屏風と人
アート好きな私は、NHK 『美の壺』もお気に入り番組のひとつです。
この番組は、毎回、壱のツボ、弐のツボ、参のツボ、というふうに
3つの切り口から、鑑賞法を紹介しています。
この番組の切り口は、物事を見る時の視点の増やし方を、私に伝授してくれています。
日常生活で目にする物事を、いろんな切り口(視点)で捉える訓練にもなります。
それが、コーチとしての筋力アップにもつながっていると思います。
もちろん、部下やお客さま、まわりの人とのコミュニケーション力アップにもつながるでしょう。
先日のテーマは、“屏風”。
「弐のツボ◇折り曲げて立てることを前提に描かれている」 では、
http://www.nhk.or.jp/tsubo/arc-20080125.html
絵を見る上で大切なのは視点だ、とのこと。
屏風絵は、折り曲げて立てることによって、立体的に見える。
見る者の座る位置によって、描かれているものの印象がまったく違って見える。
右側から見ると、川が流れている、その流れを目で追うことができます。
一方、左側から見ると、川岸の樹木や茂みに生命力を感じます。
大切なのは視点。
このことは、“人”でも同じことが言えるのではないでしょうか。
人を、ある視点からのみ見ていると、その視点からの印象のその人しか見えません。
自分が立ち居地を変えて、その人を見ると、違った側面が見えてきます。
今まで見えていなかった(見ようとしていなかった)その人らしさが、立体的に見え始めます。
人が作り出した屏風。
その屏風には、私たち人間の姿が反映されているようにも、宿っているようにも受け取れます。
屏風をつくった人は、屏風自体に、人を見ていたのでしょうか。
屏風も人も、見る側の立ち居地やコミュニケーションのとり方で、
より深く知ることも、より深くかかわることもできるようになっている。
屏風も人も、立体的にそこに立っていてくれるのですから。
あなたが位置を少し変えるだけ。
つくづく感じます。
アートも人も、なかなか深い・・・。
だから、興味が尽きないのです。