川端康成 『有難う』
川端康成といえば、“ノーベル文学賞受賞作家”、“伊豆の踊り子”、“雪国”、“古都”・・・
私の川端康成に対する知識はお粗末なものです。
最近読んだ本 『魂がふるえるとき―心に残る物語 日本文学秀作選 (文春文庫)』
の中に、川端康成の2作品が選ばれていました。
『片腕』
『有難う』
中学生か高校生の時に、川端康成の代表作 『伊豆の踊り子』や『雪国』を読みました。
当時は当時で、学生なりのというか子どもなりに受け止めていたと思います。
今や断片的にしか思い出せません・・・
今日のテーマは『有難う』という作品。
この作品は5ページにも満たない短編小説です。
定期乗合自動車の運転手とお客の物語。(私の表現力の乏しさが露呈しますね)
『ありがとう』という言葉。
川端康成の描く 『ありがとう』は、感謝をあらわす言葉の枠を越えます。
『ありがとう』という言葉は、
乗客として登場する母娘の明日という未来を変えてしまう力を持っています。
明るい未来かというと、そうはいかないだろう。
そんな読後感もありながら、
未来は一夜にして変えることもできる。
力強い読後感もあります。
明と暗が混在する物語。
人の心の美しさが爽やかに伝わってくる物語。
私がこの小説から受け取った最大のパワーは、
『ありがとう』という言葉に、人と人の心が触れ合い、新しい物語を生み出す、ということです!
川端康成の小説の世界だけではなく、
私たちのまわりにも、私たち自身も、『ありがとう』の新しい物語を生み出します。
あなたは、どんな人と心が触れ合って、どんな 『ありがとう』の物語を生み出しますか?
あなたの明日という未来は、どのように変わっていくのでしょう?
ワクワクしますね♪
『片腕』は、『有難う』とはまったく違った感覚を味わえる作品です。
どちらもオススメ。
ぜひ、読んでみてください。
きっと共感してくれる人もいるでしょう。