人間の欲求、生きる根源


先日、ブログ『さいだねからの手紙』~医療現場で働くあなたへ~で
「61通目~余命」という記事をアップしました。
ブログ記事、“余命”についての着想は
山田詠美の著書 『学問 (新潮文庫)』 から得たものです。
今までに読んだ山田詠美の著書は、この1冊、『タイニーストーリーズ』のみ
おそまつなものです。 
今回、この『学問』を読んでみようと思ったのは
あるメルマガの過去記事で紹介されていたのがきっかけです。
いやはや~、秀逸な小説に出会いました。
「性」と「生」のとらえ方が、ぐーんと広がりました。
解放されたような気分です。
読み終わってはじめて、この小説の全体を味わうことができる・・・
なんとも表現し難い余韻のようなものに包まれます。
登場人物は、人間の欲求を象徴しているのだと思いました。
主人公の仁美は、「性欲」
千穂は、「睡眠欲」
無量は、「食欲」
食欲・睡眠欲・性欲は、人間の三大欲求。
そして、「この世界、ぜーんぶ、おれのもんにすること」と両手を広げて夢を語った
心太に関しては、マズローの欲求段階説をイメージしました。
心太は、「マズローの欲求の5段階すべて」を包括しているように感じました。
人間の欲求が、舞台の田舎町の風景とともに、流れるように美しい文章で表現されています。
ここには、人間の生きる根源の「学問」が描かれています。
読み返したくなる1冊になりそうです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

Top