ジャンプ男


会社員だった頃、通勤電車でよく同じ車両に乗っていた“ジャンプ男”に、今日偶然会いました。
なぜ、“ジャンプ男”かというと、毎朝、満員電車の中で、週刊ジャンプやサンデーなど、
彼独特の本の開き方で(新聞を折りたたんで読んでいる人、いますよね。新聞風に、
分厚いマンガ本を折りたたむようにして読んでいました)、顔をストーリーにそって上下左右に
動かしながら読むのです。
それも脅威のスピードで。
一心不乱という感じで。
こんな満員電車で、読まなくてもいいだろうーが、といつも心の中で思っていました。
たぶん、冷たい視線を投げかけていたと思います。
そんなジャンプ男を、以前、乗り合わせていた電車とは別の路線のホームで見かけました。
3年ぶりぐらいでしょうか。
いつも迷惑な人だなあと思っていたのも事実ですが、
裏を返せば、彼のことを羨ましく思っていたのかもな・・・と。
周囲のことなど全く気にせず、好きなことをしている、やりたいことが出来る人を、
当時の私は羨ましく思っていたのだと気づきました。
(満員電車で、ジャンプを読むのが羨ましいんじゃないです。念のため。。。)
自分のやりたいことが何なのかわらなかった当時の自分を懐かしく思い出した、
ジャンプ男との再会でした。
今日のジャンプ男、手にはジャンプもサンデーも持っていませんでした。
 

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