呼吸を合わせる 


加藤晴彦、ともさかりえ出演の映画 『AIKI』。
AIKI
ストーリーは、
ボクシングに打ち込む青年が交通事故に遭い、下半身麻痺となる。
車椅子の生活で自暴自棄になっていた青年が、合気柔術と出会うことで変わっていく・・・。
デンマーク人の実話をもとにした映画です。
あまり人に話したことはなかったのですが、
実は、私も2年間ほど合気道をしていました。
一応、初段で黒帯を持っていました。今はどこにあるのかも分かりません。
あくまでも20年前の話です。今はまったくです。
この映画 『AIKI』の中でも、何回か出てきた
  呼吸を合わせる
という言葉。
この“呼吸を合わせる”ことは、コーチングに通じるものがあります。
コーチングの“ペーシング”に近いものがありますが、
ペーシングよりさらに深いものなのではないかと私は捉えています。
それは、話すスピードや使う言葉、うなずきなど、私たちの目に見えて
合わせるものだけでなく、感覚的なもので、目に見えないものです。
合気道をしていた当時の記憶をたどると、
“呼吸を合わせる”とは、真剣に相手をよく見る。観察する。
相手の動きを読む。
すると、自然な流れみたいなものの中にいることが感じ取れます。
その時、呼吸が合い、次の技、動きが生まれます。
相手とつながるような感覚的なものです。
このつながりが、“氣”なのかもしれません。
合気道だけでなく、他のスポーツや日常でも同じことです。
ボクシングや相撲、バスケットボールなどは、
呼吸を合わすことができるから、かわすこともできます。
そして次の動きへと流れるようにつながります。
対相手のスポーツはもちろん、水泳では、水と空気と自分自身に呼吸を合わせます。
日常では、子どもを寝かしつける時、自然と呼吸を合わせているでしょう。
掃除する時や料理する時もそうです。
あらゆるもの、すべてのものと調和し、呼吸をあわせています。
“呼吸を合わせる”とは、相手だけでなく、相手と自分を取り巻くすべてに、
呼吸を合わせるということです。相手と対峙することとは対極にあります。
日常のあらゆる場面で、呼吸を意識してみてください。
得るものがきっとあるはず。

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