人間本来のスピードとは
人を育てる立場の方とお話していると
対象の相手に「考える力をつけてほしい」と
思っておられるのをよくお聞きします。
考える力が弱くなっているのでしょうか?
私は、考える力の前に、
考える機会が少なくなったと感じています。
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世の中のいろんなことのスピードが、年々加速しています。
速くなることで、より便利に快適に楽に暮らせるようになりました。
「時短」という言葉は、スピード化の象徴だと思います。
何事にも両面あるように
スピードが速くなることにも、メリットとデメリットの両面があります。
スピード化のデメリットとして失いつつあるのが
「考える」ということです。
生活面では、それほど考えなくてもスムーズに進むことが増えました。
よく考えなくてもよい。
深く考えなくてもよい。
様々なちょっとしたことがより便利になって
考える機会が大幅に減りました。
そんなに考えなくても、日常生活が送れてしまいます。
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「考える力をつけてほしい」「自分で考えてほしい」と思っても
相手も私たちも、よく考える機会が少なくなっているので
すぐによく考えることができない、とも考えられます。
すぐに、その場で、よく考えてほしいと思ってしまうとすれば、
この考え方自体が、スピードが速くなっている象徴です。
また、私たちは、「よく考えることができない速さ」のなかで
仕事をしているのかもしれません。
人間が生み出した世の中のスピードは
人間本来のスピードとは違う気がしてなりません。
人間という「動物」
「動く物」本来のスピードについてよく考えることが必要だと思います。
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