理解するために ことばを使え
詩人・長田弘さんの詩集『死者の贈り物』のなかの
「サルビアを焚く」にこのような一節があります。
___________________________
ことばは感情の道具とはちがう。
悲しいということばは
悲しみを表現しうるだろうか?
理解されるために ことばを使うな。
理解するために ことばを使え。
____________________________
人の話を聴く仕事をしている私には
特に後半の2行が、心に響いて強く強く刺さります。
長田さんのこの言葉を
人の話を聴くうえでの指針のひとつとしています。
私たちは、言葉は「理解」のためにあると
理解しています。
また、言葉は「相互理解」のためにあると
理解しています。
しかし、相互理解の「相互」の優先順位をよくよく見てみると
仕事や家庭での日常の会話では
「わたしを理解してもらう」が先で、「相手を理解する」が後に
なっていることが多いのではないでしょうか?
相手を理解しようと言葉を使うよりも
自分を理解してもらうことを優先して言葉を使いがちです。
お互いの理解を深めるために言葉を使うならば、
順番を変えるのが大事です。
まずは、相手を理解するために言葉を使う。
(ここを重ねるのがポイントです)
そして、相手を理解したうえで、理解されるために言葉を使う。
この順番だと、理解されるために使う言葉自体が変わります。
順番を入れ替えるだけで、他者理解・相互理解がさらに進み深まります。
今から「理解するために言葉を使う」を意識してみませんか?
そのためのヒントをひとつ。
相手に「好奇心」をもって!
コメントを残す