学びコラム

人生の振り返りは未来につながる


すこし前、NHK教育テレビで『7年ごとの成長記録・49歳になりました』というドキュメンタリー番組の
再放送を観ました。
シリーズで、ほかにも『21歳になりました』の日本、旧ソ連、アメリカ編とあったようです。
イギリスのパブリック・スクールの男女生徒数名の7歳の時からはじまり、
14歳、21歳、28歳、35歳、42歳、49歳と7年ごとに取材し、その成長を記録した番組です。
49歳の今に焦点を当て、子供時代からの映像で、それぞれの人生を振り返ります。
人は、自ら進んで自分の過去を振り返ることはしません。
7年ごとに、自らの人生を振り返る姿に、辛さを感じている人や、今までの人生をかみ締めるように
振り返る人、それぞれの人生の重みを感じました。
興味深かったのは、全員に同じ質問、7年ごとに同じ質問をしていることです。
同じ質問をしても、全員違う答えです。
7年ごとに同じ質問をしても、全員毎回違う答えです。
人は、変わってゆきます。
“変化”が“成長”なのだと思いました。
この世界に、同じ人生を歩む人なんて、ひとりもいないのです。
誰かを真似たり、誰かを羨んだり、誰かのせいにしてみたり、人生そんなものじゃないのです。
この番組のように、みなさん自身も、人生を何年かごとに振り返ってみてはいかがでしょう。
きっと気づくはずです。
自分の人生は、自分だけのものと。
人生を丁寧に振り返ることは、未来につながると。
みなさんが、日々接するお客さまも、それぞれの人生を歩んでいます。
みなさんとお客さまとの出会いは、それぞれの人生の一瞬一瞬です。
お互いにとって、大切な人生の瞬間です。
みなさん自身の、人とのかかわりも振り返ってみてはいかがでしょう。
きっと気づくはずです。
明日からはじまる未来、かかわり方が変わると。


言わないと伝わらない


先日、銀行でのこと。
手続きが終わると、担当の女性が、「お好きなものをひとつ選んでください」と4種類の粗品を、
受付窓口の机に並べてくれました。
私の頭の中では、こんな会話をしていました。
「どれもほしくないのだけれど、“いらない”と言うのも申し訳ないような気がする・・・。
かといって、どれもいらない・・・。どうしよう・・・」
その間も、担当の女性は、丁寧に粗品の説明をしてくれるのです。
「これには、銀行の名前は入っていません」
「これは、小さく銀行名が入っています」  など。
私の結論は、どれもいらないけれど、とりあえず、ひとつもらう、に決まりました。
私      「それじゃ、これにします」
担当女性  「それじゃ、これもどうぞ」
彼女は、もうひとつ粗品をつけてくれました。合計2個。
彼女は、私がほしいものがいくつかあって選ぶのを迷っている、と思ったのでしょう。
私は、どれもほしくないけれど、「いらない」というか「ひとつ選ぶ」かで迷っていたのですが。
自分の気持ちを言葉にして言わないと、相手には伝わらない。
相手は、私の表面に現れている行動“迷っている”から感じ取って、良かれと思って行動する。
言葉にしなくても相手はわかってくれるだろう。
私がこう思っているのだから、相手もこう思っているだろう。
よくありがちなパターンです。
ここに、相手と自分の間に、ギャップが生じます。
相手に伝えたいことは、言わないと伝わらない。
相手の考えを聞きたいときは、質問しないと聞き取れない。
私たちの日常に、大切なことが埋もれてしまわないように。


「完璧」と「人間性」


あるクライアントさんの一言。
「完璧にやることが、人間性を高めることだと思っていました」
このクライアントさんは、一度、「完璧にしなければならない」という考え方を手放し、
そこで得た新しい視点を軸に動き出しました。
実に、動きやすそうです。軽やかな気持ちが伝わってきます。
仕事でも何でも、正確に行うことは大切です。完璧を目指すことも重要です。
しかし、「完璧にする」ことにこだわらない人に、私は豊かな人間性を感じます。
目に見えないけれど、紙に例えると「適度な余白がある」人に惹かれます。
多すぎず少なすぎず、人間としての余白。
心地よい存在感です。
職業や肩書きで判断するのでなく、その人自身の中に持っているものを見ようとします。
自分自身が「完璧である」ことにこだわると、相手にも「完璧である」ことを求めがちです。
関わる前から、サングラスをかけて相手を見てしまいます。
裸眼で見ると、相手の人間性をとらえることができるでしょう。
裸眼で見ると、あなた自身の人間性も高まっていくでしょう。


読書しましょう!


すっかり過ごしやすい季節になりましたね。
そろそろ読書の秋です。(食欲の秋でもありますが)
学生の頃は、たくさん本を読みました。
社会人になって、読書量が激減しました。
仕事でそれどころじゃなかった、  というのは言い訳ですか。。。
「ホテルマンはあまり本を読まないけど、どうして?」
少しばかりショックな質問です。
もちろん、異論・反論あると思います。世のホテルマン全員がそうではないですし、
どんな業界にも、本を読まない人はいると思います。
この質問、ホテル時代の私に当てはめてみると、的を得てるかも、
確かにそうだなと深くうなずきました。
私自身がそうだったからです。
本を読まなかった期間分を取り戻すがごとく、今は、読書量が増えました。
これがまた楽しいのです。
本を読むことで、自分なりに物事を考えるようになりました。
美しい日本語に触れる。
さまざまな考え方に触れる。
豊かな表現力に触れる。
そして、語彙を増やすことが大切です。
その人の発する言葉が、その人を表すからです。
ホテルマンにとって、表現力はなくてはならない資源です。
友達に借りるといいかも。自分では手に取らない本を読めます。
好奇心が無限に広がります。


クライアントさんから教えられること


コーチングをしていると、クライアントさんから教えられることがたくさんあります。
それは「知識」や「情報」、という意味ではなく(もちろん、知識や情報もありますが)、
クライアントさんから、今、思ったことや感じたことを伝えてもらう中にある、教えられることです。
たとえば、
「自分の発するエネルギーで感情が変わっていく」
このことを伝えてもらうことで、
「そうか、感情や感覚、それ自体、エネルギーを持っている。
だからこそ、クライアントさんに今何が起こっているか、感情や感覚(エネルギー)の流れを
みてくことが大切なのか」
そして、このこと(どんなことに気づいたか)をクライアントさんに伝えます。
もちろん、うれしい気持ちを伝える言葉を添えて・・・
「ありがとうございます」
パートナーシップがさらに深まる瞬間でもあります。


うれしかったこと


ちょっとした出会いから、コーチング・セミナーを先週末開催させていただきました。
セミナー終了後、サプライズでうれしいものをいただきました。
参加者のみなさんが、私あてに、一言ずつ寄せ書きしてくれたお手製の「サンクス・カード」です。
みなさんからのあたたかいメッセージ。
うれしい気持ちでいっぱいになりました。
ありがとうございました。
これからも、人とのつながりを、ひとつひとつ大切に、ていねいに、重ねていきたいと思います。


アサーティブなコミュニケーション


「アサーティブ」とは、自分らしく自己主張すること、自己表現することです。
アサーティブなコミュニケーションについて、もう少し学びを深めておきたいと思い、
アサーティブ・ジャパンhttp://www.assertive.org/の基礎講座を受講しました。
アサーティブネスが必要とされる職場や環境が増えているようで、アサーティブなコミュニケーションを
扱う研修の依頼も入ってきたりと、それも受講のきっかけのひとつです。
今回のアサーティブ・トレーニングで、いちばんよかったのは、ロールプレイでした。
私はコーチなので、日常でもけっこう率直に相手に伝えることができていると思っていました。
しかし、実はそうではない、ということがロールプレイで実証されてしまいました!
少しばかりショックでした。
ロールプレイの相手役は本人ではないのに、気をつかって、なかなか率直に伝えられないのです。
フィードバックをもらうことで、1回目より2回目、2回目より3回目、と上達していきます。
今まで体験した数々のロールプレイの中でも、実践しやすくできていると感じました。
「誠実に、率直に、対等に、そして自己責任のもとに」・・・このことを心の中で思っているだけでは、
相手に自分が伝えたいことはうまく伝わりません。
この4つを行動レベルに表すことではじめて、相手に自分の思いが伝わります。
その人の真剣さが伝わります。
その人の持っている芯みたいなものが伝わります。
いい加減にコミュニケーションしていると、いい加減な人間になってしまい、
いい加減な人しか周りにいない、なんてことになりかねないなと思ったりもしました。
コミュニケーションの大切さをさらに実感。
と同時に、コミュニケーションにおけるコーチングの役割の重要性も実感しました。


「サービス業に活かすコーチング」セミナーを開催して


7月3日(月)大阪市中央公会堂にて「サービス業に活かすコーチング」セミナーを開催しました。
ご参加いただいた皆さん、さすがサービスのプロ!
協力的で和やかな雰囲気の中、進行することができました。
2時間という限られた時間で、どれだけのことが伝えられるか?多くを伝えることよりも、
ひとつのことを確実に伝えよう、そう考え、内容をアレンジしました。
今回ほど、私自身のホテル勤務での体験談を盛り込んだことは今までありませんでした。
失敗談もかなりお話ししました。
恥をかき捨てたのがよかったのか、みなさんにはイメージしていただきやすかったようです。
何かを学ぶことは、難しいことでも苦しいことでもありません。
ほんの少し視点を変えるだけです。そこに学ぶオモシロさがあります。
私自身、参加者の方々からの疑問や質問から学びがあります。
そのことについて、より深く考え、分析し、磨きをかけていきます。
これからも、ひとりでも多くのホテルやサービス業で働く皆さんに、
仕事はもちろん人生にも役立つコーチングを広めていきたいと思っています。


「感情」と「考え方」を切り離す


認知療法について、ドクターのお話を伺う機会がありました。

特に、興味を持ったのは、「感情」と「考え方」を切り離す、というアプローチです。

例えば、電車に乗っていて、急に気分が悪くなってしゃがみこんでしまい、意識が遠のいた経験があったとします。
そのことを思い出すと、今も不安になります。
電車に乗ると、また同じことが起こるかもしれないと不安になります。
しかし、電車での経験と、今感じている不安は、別のことなのです。
「不安」であると苦しむのは、電車での経験それ自体(現実そのもの)でなく、
その経験をどのように受け止めているか、その人自身の判断なのだそうです。

「感情」を決めるのは、それをどのように受け止めるか「考え方」で決まるということです。

コーチングでも、「事実」と「解釈」の違いについて話してもらうことがあります。
今回、「感情」と「考え方」を切り離す、というアプローチを知り、
「事実」と「解釈」をさらに立体的に捉えなおすことができました。


経営者の理念


京セラ名誉会長の稲盛和夫氏のインタビュー番組を見ました。
稲盛氏の著書『生き方~人間として一番大切なこと』に感銘を受けた一人です。
この番組で、インタビュアーのアナウンサーが、稲盛氏に聞きました。
「経営者は、ほんの少しでも、理念を曲げてはいけないのでしょうか?」
稲盛氏は、こう答えました。
「経営者は、一度たりとも、理念を曲げてはいけない。」
このアナウンサーは、稲盛氏の著書を読んだことがないのか、
それとも台本通りなのか。
理念に対して“ちょっとぐらい、オマケしてよぉ~”は通じません。
「理念」を辞書で引いてみると、
「ものの原形として考えられる、不変の完全な存在。」
一度ぐらい曲げてもいいだろうというようなものではないのです。
簡単に曲げる経営者もいるでしょう。
曲がりなりにも経営できている??
稲盛氏の言葉に、私のコーチの言葉がオーバーラップしました。
「ビジョンは自分のものであり、破ったら自分に対する背任行為だ。」
個人のビジョンも、会社のビジョンも同じです。
簡単に曲げれるような理念(ビジョン)など存在しません。
理念は、揺るぎないものです。
そのためには、自分の基準を持つことです。基準を明確にすることです。
そうすると、「一度ぐらい曲げてもいいだろう」そんな考えは出てこないでしょう。
私も自分のビジョンに対する基準を常に確認しながら、着実に歩みたいです。


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