学びコラム
成長とは
成長には、いくつか種類があるように思います。
ひとつは、子どもから大人への成長です。
それは、体の成長や、スポンジのように新しいことを吸収する成長。
身長が伸びるように上へ上へと伸びて成長します。
30歳代ぐらいまでは、上に伸びていく感覚が私にはまだありました。
40歳代頃から、もうひとつ別の成長を感じるようになりました。
それは、上へ伸びていく成長ではなく、空間を満たしていく、横に伸びていく成長です。
子どもの頃のように、新しいものを吸収して伸びるのとはまた違い、
今までの経験からの考え方や物事の捉え方が、他の考え方や捉え方と融合したり、
古い考え方を手放して、新しい考え方を持ち替えたりと、
考え方・捉え方がやわらかく広がっていく成長です。
高みを目指して成長するだけが成長ではなく、
まわりにも目を向けて、横に広がるように伸びていく成長を感じました。
50歳代からは、これを成長と呼ぶのかどうかよく分かりませんが
ある変化を感じるようになりました。
自他の境目がゆるんで、前よりも他者の喜びや悲しみなどの思いに
自分の心が伸びていって触れようとする感覚です。
成長とは何でしょう?
「成長」とは「変化」でもあると今は思っています。
あなたにとっての「成長」とは何でしょうか?
「やりたい」と「している」
先延ばしにしない。
特に「やりたいこと」を先延ばしにしないこと。
今年は忙しくて無理そう。来年にしよう。
(その来年も今年になって、また先延ばし…)
定年退職したら、必ずやろう。
(まだまだ先のこと…)
また、本当にやりたいことには、気づかないふりをしてフタをします。
気づいても、大きめの重要なやりたいことは
「今」じゃなくでもいいかと先延ばしする心が働きます。
やりたいことに向き合わないでおこうとします。
それに、「やりたい」と「している」は大きく違います。
やりたいことを想像するだけに時間を使っていませんか?
「やりたい」を想像することに時間を費やすよりも
実際に「している」時間のほうが重要だと誰もが気づくでしょう。
先延ばしというのは、時間の使い方です。
もっと言えば、人生の使い方でもあります。
私たちの時間は有限です。限られています。
しかも、いつまであるのかも分かりません。
さあ、新しいスタートの春です。
あなたの大事な「やりたい」を「している」に!
応援しています!
泰然自若
実家は山の斜面にあり、目の前には海が広がっています。
海は常に表情が変わります。
穏やかな海、明るい海、爽やかな海、さざ波の優しい海、
波の高い海、暗い海、どんより曇った海、荒れた海…
日によって、時間によって、その表情は変わります。
とどまることなく変化します。
表面の表情は刻一刻と変わり続けます。
表情はどんどん変わる海。
そんな海に、子どもの頃から安心感も持っていました。
いつもそこにあるという安心感。
この安心感に名前を付けるならば…「泰然自若」です。
落ち着いていてどんなことにも動じないさま。
そういう海を日常に育ちました。
今、人とかかわる仕事を通して
人は海と同じなんだと感じます。
人は、喜んだり笑ったり、怒ったり悲しんだり、
優しかったり傷つけたり、素直だったりひねくれたり…
その時々でさまざまに表情が変わります。
やはり、人も海と同じ「自然」なのだと思います。
海と同じように、人の表面の表情は変わっても
その変化し続ける表情とともに、動じない泰然自若とした何かがあります。
私はそのことにいつも安心します。
感覚的な表現なので、よく分からないという方もおられると思います。
よく分からないよ~と困った表情のあなたにも私は安心しています。
(もっと分からなくせちゃいましたか??)
今回は、特に感覚で読んでいただければ幸いです。
見えるもの・見えないもの
世の中をよく見ていると
見えるものよりも、見えないもののほうが多いと気づきます。
人の姿かたちは見えても、その人の気持ちや考え、無数の経験などは見えません。
紛争の映像を目にしても、そこで暮らす人々の本当の日常は見えません。
圧倒的に見えないもののほうが多いのです。
見えないもの。
そういうところに、大事なものがあるのだと思います。
サン=テグジュペリの『星の王子さま』にもこうあります。
‟ 大切なことはいつだって目に見えないものさ ”
長年人の話を聴き続け、人とかかわり続けてきて
分かったことがあるとすれば、それは
実際のところ「人のことは分からない」ということです。
人のことは分からないと言い切ってしまうと
投げやりに聞こえるかもしれませんが、そういうことではありません。
人のことは分からない。
だから、その人のことを何でも分かっていると思わないこと。
もっと言うと「分かったつもりになってはいけない」ということです。
分かっていると思った途端、その人のことが見えなくなります。
分かったつもりになっていると、その人の中にある大事なものから遠ざかってしまいます。
目に見える人や物、出来事から、見えないものをどう見ようとしていくか。
それが、人に与えられている能力なのだと思います。
それに、宇宙の96%は見えなくて、見えているのはわずか4%だそうです。
宇宙は分からないことばかりです。
そんな宇宙で生きているんだと認めてしまうと
よい塩梅に心身がほぐれて、世の中を見渡せるのではないでしょうか?
見えるものよりも、見えないもののほうが多い。
見えないものの中にこそ、大事なものがある。
見えているものだけにとらわれないための考え方を
ひとつ持っておく1年にしませんか?
内側も大掃除
年末に大掃除をするように、私たちの内側も大掃除して
新しい年を迎えたいものです。
そこでふと思い出したのが、
スリランカ上座仏教長老 アルボムッレ・スマナサーラ著
『こころを清らかにする言葉』のなかの言葉です。
…………………
自分のことを不完全だと心から思っている人には
精神的な悩みがありません。
…………………
私たちはどうしても
「きちんとやらなければ」
「仕事も家事もちゃんとしなければ」
「間違ってはいけない」
「人からよく思われたい」
「完璧にしたい」
など「完全」でありたい気持ちを大なり小なり持っています。
しかし、ちょっと考えてみると分かることですが
完璧な人って存在しますか? どこにいます?
そんな人はどこを探してもいません。
どんな偉業を成し遂げた人でも、完璧な人ではありません。
誰もがデコボコしています。
アルボムッレ・スマナサーラ長老はこうも言っています。
…………………
呼吸ひとつ、食事ひとつとっても、人は死ぬまで地球に依存しています。
…………………
地球という大きなところから見ても、人は不完全です。相互依存の関係です。
人の営みから見ても、誰かがしてくれている仕事のおかげで
快適に生活できています。
また自分がする仕事によって、誰かの何かがよくなっています。
互いに補い合う相互依存の関係です。
互いに不完全でよいという目で世界を見ることができる。
弱い自分や不完全な自分を認めて肯定できる。
このように、いま心から思えなくても、このように思うことも選べるんだと
いうことを心に留め置く…それだけでも少し心が軽くなりますよ。
自分のことを不完全だと思うのは、自分をダメだと思うことではありません。
ありのままの自分でいいんだと思えるということです。
すると、これは悩んでも、これは悩むほどのことでもないと思えてきます。
そして、悩みが悩みでなくなるというところに行き着きます。
大掃除、まずは玄関を掃き清めたくらいでしょうか?笑
ペイル・ブルー・ドット
『ペイル・ブルー・ドット(Pale Blue Dot)』
NASAの無人宇宙探査機ボイジャー1号が
1990年に60億キロメートル離れた宇宙空間から撮影した地球を表現した言葉です。
写真の地球は、針の先ほどの「淡く青い点(Pale Blue Dot)」です。
興味があれば、検索してみてくださいね。
私は時折ボイジャーが撮影したこのペイル・ドット・ブルーの地球を思い浮かべます。
広大な宇宙の小さなひとつの星に生まれたひとつのいのちがここにあるのだなと、
あるのは「いのち」であり、「自分」があるという感覚が薄れてきます。
想像の及ばないほど広大な空間の中に存在していることのすごさに気づくと
日常の些末な出来事や悩み、心配事も、これは本当に悩む必要のあること
なんだろうか?本当に心配すべきことなんだろうか?
…どうってことはないように思えてきます。
何とかなる、何とでもなると思えてくるから不思議です。
圧倒的な大自然を目の前にしたときのように、自分の悩みをちっぽけなものに感じ、
悩みが悩みではなくなるのとよく似た感覚です。
そこまで思えないとしても「ペイル・ブルー・ドット」を思い浮かべると
気持ちが落ち着いてリラックスできます。
夜眠るとき目を閉じて思い浮かべるとぐっすり眠れますよ。
二人三脚
仕事で一人前になるまでは
自分の未熟さを痛感しました。
未熟さに奮い立ちました。
未熟さに落ち込みました。
未熟さを向上心に変えました。
一人前の仕事ができるようになると
自分の未熟さに鈍感になります。
未熟さにフタをします。
自分の未熟さを他人のせいにします。
未熟さを無力に置き換えます。
人生はどこまで行っても、未熟な自分と二人三脚。
なぜ、いつまでもどこまでも未熟な自分と二人三脚なのだろう?
「未熟」はまだまだ成長の余地があるというサイン。可能性のサイン。
そう捉えると、未熟な自分との二人三脚も歩きがいがありますね。
うなずきは何のサイン?
親も高齢になり、病院を受診する際、付き添うことがあります。
入院や手術の説明のときは、一緒に説明を聞いてほしいと
親からのリクエストもあり付き添います。
(一緒に聞くほうが親も私もお互いに安心です)
医師の説明を聞いているとき、父はうなずきながら聞いています。
頷いていたから理解しているのかなと後で聞いてみると
きちんと理解していないということがよくあります。
理解できない可能性があると父もわかっているから
一緒に話を聞いてほしいということなのですが。
父だけの話ではなく、人の話をうなずきながら聞くのは、
「話を聞いてますよ」というサインではあるけれど、
「理解しましたよ」というサインではないということです。
仕事でも、伝えたのに、伝わっていなかった。
説明したのに、その通りにしてくれていなかった。
教えたのに、できない。
このようなことはよくあります。
「伝えた」は、相手に「伝わった」ではない。
「説明した」は、相手が「理解した」ではない。
「教えた」は、相手が「できる」ではない。
このことを頭の片隅に置いておくと、
まずは、心のワンクッションになってくれます。
そのワンクッションによって、少し余裕が生まれると、
今以上に、相手をよく見て、相手に意識を向けて、
自分のかかわり方やコミュニケーションの工夫できる部分を
見出すことができるのではないでしょうか。
お互いに理解しあっている未来を見ませんか?
犬と人間のコミュニケーション
私は動物が好きです。
なかでも犬が大好きです。
「犬の言っていることがわかる気がする」
私はこう思っていました。
このことをAさんに話すと
Aさん 「犬が人間を理解してるんや」
私 「???」
理解できていない私に、Aさんは
「人間が犬の言っていることわかるんちゃうで。
犬が人間の言っていることをわかってるんやで。
犬は人間の動作とか言葉を理解しようと、全身でジーッと観察してる。
人間が何をしてほしいのか、何を言ってるのか、犬は雰囲気から察する」
Aさんのとらえ方を聞いて目が覚めた気がしました。
私が犬のことを理解しているのではなくて、犬が私をわかろうとしてくれている。
歩み寄ってくれているからこそ、わかった気になっていたのだと気づきました。
両親も実家で飼っていた犬のことをよくこう言っていました。
「この子は言ってることちゃんとわかってるで。賢いよ」
Aさんの「犬が人間を理解している」
明らかに犬のほうが私たちを理解しようと努力してくれています。
犬が全身で理解しようと私たちを観察してくれている。
犬の人間に対する理解しよう度のほうが、私の犬に対するものより断然高いです。
私が大阪の天保山だとすると、犬は富士山くらいの高低差を感じてクラクラします。
犬のほうが大半をがんばってくれているわけです。
犬のほうがコミュニケーションを取って、お互いが理解しあえるようにかかわってくれます。
「犬が人間を理解している」の代表格、デコピンと大谷選手の始球式は素敵でしたね。
人と人でも同じことが言えるのではないでしょうか。
自分のことを理解してくれていると感じる相手は
理解しようとよく見てくれている。
理解しようとよく聴いてくれている。
理解しようと言葉をかけてくれている。
そのことに気づいていないだけかもしれません。
良好な関係、信頼関係を築くヒントを犬は与えてくれています。
ストレスマネジメント・セミナー【参加者の感想】
コロナの影響でここ数年の主催セミナーはオンラインで行っていましたが、
7月27日(土)久しぶりに対面で実施しました。
テーマは、メンタルヘルスを良好に保つ『ストレスマネジメント』でした。
以前、オンラインのセミナーに参加くださっていた方々にも
今回対面でお会いすることができ、皆さんの思いや考えを肌で感じることができ、
有意義な時間となりました。
参加の皆さまの感想をご紹介します。
……………………………………………………………………………………………………………………
1) セミナーを通じて、気づいたこと、印象に残ったことは何ですか?
2) 今日の気づきや学びを、どのように活かしたいと思いますか?
3) その他、感想や気づいた点、ご要望など
__________
1) 考え方・思考を変えることが重要であること。自分の考えにあらためて気づけたこと。ストレスが「ゲストハウス」という捉え方をすることで、心が少しでも軽くなることを学びました
2) 人の立場になってと相手には言うが、常に意識していこうと思いました。
あらためて呼吸法が大切であることを学び、今日から取り入れて、また来週からがんばろうと思いました
3) 対面でのセミナーで直接話をすることで、気持ちや考え方が伝わりやすかったです
__________
1) 「ストレスマネジメント⇒相手を気遣うこと」という考え方は今までしたことがなかった。今回のセミナーに参加して新たに学ぶことができました
2) サイコロ思考を日常でも活用していきたいと思います。思考を柔軟にすることで、新たに気づくことがたくさんあったので、日々の生活にも活かしポジティブに過ごしたいと思います
3) 初めての対面でのセミナーでしたが、とても楽しくあっという間に時間が過ぎてしまいました。参加されている方と色々話せて勉強になりました。ありがとうございました。また機会があれば参加させて頂きたいと思います
__________
1) ストレスマネジメントするには、自分に意識を向けるより、誰かに喜んでもらえるようにしたほうがメンタルを良好にできるのでは、というお話が印象的でした
2) 自分に意識を向けてしまいすぎないよう思考を柔軟にしていきたいと思います3) 久しぶりのリアルセミナーで参加者の雰囲気も感じながら受講でき、話題も広がりよい流れを感じました。オンラインではつかみづらいところも対面であれば感じもつかめてとてもよかったです
__________
1) 自分の意識が自分に向いており、他者への意識が低いことに気づきました。考えを書き出すことで自分がどう感じているか改めて考えることができました。また、話すことで自分では気づけなかった傾向を知ることができたと思います
2) まだ未熟で自分のことで精一杯になる場面が多いですが、その場面こそ患者さんなど他の人に対して意識を向けていくことを実践していきたいです。以前、患者さんへの関心が低いと指摘されたのですが、なぜ患者さんに意識が向かないのか少し理解できたと思います
3) 本日は素敵な話を聞かせて頂きありがとうございます。最初は緊張していたのですが、話しやすく、自身を考える良い機会になったと思います。ありがとうございました
……………………………………………………………………………………………………………………
セミナー終了後のお茶会の時間もとても楽しかったです。
猛暑のなか、ご参加いただきありがとうございました。



